20代のときと比べると、30代の肌はあらゆるエイジングサインが現れてきます。エイジングケアをそろそろ始めたほうがいいのかな、まだ早いかな?と思案中の方もいると思います。
エイジングケアはミドル世代のお手入れと思っている人もいます。しかし、シワやシミなどのエイジングサインがくっきりと現れてからのエイジングケアでは遅いのが現実です。
今回はエイジングケアの始めどきや、スキンケアの方法について詳しく解説していきます。
※エイジングケアとは年齢に応じたケアのことです。
著者情報
湯浅 みちこ
美容ライター
エステティシャンとして現場で8年勤務後、スタッフ教育などサロン運営を経験。
コスメコンシェルジュ、化粧品検定1級、コスメ薬事法管理者の資格を取得し、美容ライターおよび薬事法ライターとして活動している。思春期ケアから更年期の肌悩みまで幅広く対応している。
エイジングケアは25歳から始めるべき
エイジングケアは、できるならエイジングサインが出る前に始めるのが理想です。
最初のエイジングサインは、シミや肌の乾燥が多く、早い人で20代の前半から気になり始める方もいます。
20代の後半から30代前半には乾燥小じわが目立ち始め、同時に乾燥くすみも出やすくなります。一般的に30代半ばでエイジングケアを始める方が多いようです。
以下のようなエイジングサインが現れます
- 乾燥小じわ
- 表情ジワ
- シミ
- くすみ
シミや小じわが出やすくなる前の25歳前後で、エイジングケアを取り入れていくのが理想的です。
エイジングケアを早めに始めるメリット
エイジングケアを早く始めることで、得られるメリットはたくさんあります。
- みずみずしい肌が維持できる
- シミやシワを予防することができる
- 将来美容にかけるお金が最小限ですむ
- 年齢よりも若く見られる
エイジングサインが出る前に早めのスタートを切ることで、シミやシワはかなり予防できます。
筆者は20歳過ぎから美白ケアを始めたため、アラフィフの今もほとんどシミがありません。美容医療も行なっておらず、現在もホームケアのみです。もし若い頃からお手入れをしていなければ、今頃はシミ取りやしわ取りなどの美容医療に多額のお金が必要だったかもしれません。
40代以上の肌がきれいな女性は、20代からエイジングケアを行なっているという方が非常に多いです。
エイジングサインの兆候を見逃さないで
エイジングケアをしっかりとしていても、当然老いというものはやってきます。
エイジングサインの兆候として気をつけていただきたい点を以下にまとめました。ぜひセルフチェックしてみてください。
肌の乾燥
年齢と共に水分量は低下し皮脂量も減少します。乾燥を放置するとあらゆるトラブルを招き、肌老化を加速させます。
肌の乾きやぱさつきがないかをチェックしましょう。
目のクマ
以前はなかったのに、目のクマが現れてきたら、それは目袋かもしれません。
目袋とは、涙袋のさらに下に出る目のたるみで一般的には黒クマと言われています。たるみが影になり黒く見えるため、寝ころんで鏡を見ると消えるのが特徴です。
表情ジワ
表情ジワは以下の箇所に出やすいです。
- 目尻
- 眉間
- おでこ
- ほうれい線
特に眉間のシワは人相が悪くなるので、シワを寄せないように普段から気をつけましょう。
ほうれい線は表情ジワだけでなく、肌のたるみも影響する部分です。特にマスクで隠れる部分は、見落としがちになるので注意してみてください。
うすいシミや影
今までなかった場所にほくろのような点が出たら、それはほぼシミです。肌の奥に見えるうっすら見える影もシミ予備軍です。
エイジングケアのためのスキンケアのポイント
エイジングケアに特化したスキンケアをしていく上で、大切なポイントを見ていきましょう。
ポイント① UVケアを徹底する
紫外線はシミだけでなく、シワの原因にもなります。いくらエイジングケアをしてもUVケアをしていないとザルのような状態になってしまいます。
メイクをしない日でも、日焼け止めは必ずつけることを習慣とし、日中の外出には帽子や日傘で紫外線を予防しましょう。
ポイント② 保湿ケア
保湿ケアには水分と油分のモイスチャーバランスが大切です。
乾きにくい肌を作るためにおすすめの成分を紹介します。
- セラミド・・・肌を乾燥から守りバリア機能をサポートする
- ヒアルロン酸・・・肌の保水力を維持する
- グリセリン・・・うるおいを長時間キープする保湿剤
乾燥小じわなら、「乾燥小じわを目立たなくする」(※効能評価試験済み)と書かれたスキンケアを使うとラップ効果で小じわが出にくくなります。
ポイント③ 美白ケアでシミ予防
美白ケア(※1)は医薬部外品の美白化粧品を使うとシミ予防が期待できます。
以下のような美白有効成分(※1)が配合されているかチェックしてください。
- トラネキサム酸
- アルブチン
- ビタミンC誘導体
- プラセンタ
- ナイアシンアミド など
(※1 メラニンの生成を抑え、シミそばかすを予防する)
ポイント④ 肌にハリを与えてシワ予防
シワを予防するためには、肌にハリを与える成分がおすすめです。
- レチノール
- ナイアシンアミド
- セラミド
- ヒアルロン酸
- ビタミンC誘導体
レチノールはヒアルロン酸の産生を高める効果、ナイアシンアミドはコラーゲンの産生を促す効果があります。
エイジングケア化粧品の選び方
エイジングケアができる化粧品を使いたいけれど、「どのような商品を選んだらいいのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
ここからは肌のお悩みや、気になる部位をケアするために選ぶべき化粧品の特徴をお伝えします。
肌の乾燥やくすみをケアしたい
肌の乾燥は、かさついて小じわになりやすいだけでなく、全体的にくすんだ印象に見えることが多いです。乾燥肌には、角質層にうるおいを与える丁寧なスキンケアが必要です。
セラミド配合の化粧水やクリームを重ね付けして、ハンドプレスして浸透(※角質層まで)させましょう。
肌にくすみが出る原因は乾燥以外に、老化角質の蓄積が考えられます。日焼け止めやファンデーションの残留、皮脂詰まりなどもくすみの原因になります。
乾燥肌には、泡立たないクレイ洗顔や酵素洗顔などがおすすめです。クレイや酵素の力で老化角質をオフし、スキンケアで肌にうるおいを与えることで透明感を引き出せます。
シミをケアしたい
シミはメラニンの蓄積によるものなので、ターンオーバーをスムーズにし、メラニンを排出させることが大切です。
肌のごわつきがある方は、角質ケアができる拭き取り化粧水や酵素洗顔がおすすめです。
美白化粧品はラインで使うよりも、成分で選ぶ方が多角的にアプローチできるので、同じメーカーでなくてもかまいません。同ラインだと同じ有効成分を重ねてつけることになるので、別ラインをおすすめすることが多いです。
同じ美白有効成分でもメラニンへのアプローチ法は違います。
- メラニンを還元し排出を促す・・・ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド
- メラニンの生成を抑制・・・アルブチン、コウジ酸、ビタミンC誘導体
- メラノサイトの活性化を抑制・・・トラネキサム酸、カモフラET
例として
化粧水(トラネキサム酸)+美容液(ビタミンC誘導体)+クリーム(ナイアシンアミド)
という形で組み合わせると、3種類の方法でシミ予防を強化できます。
目元やおでこのシワをケアしたい
乾燥小じわなら、保湿で対策することができますが、目元やおでこのシワにはシワを改善できるスキンケアを使用することをおすすめします。
- レチノール(資生堂)
- ニールワン(POLA)
- ナイアシンアミド
上記の3つの成分はシワ改善が期待できる成分で、レチノールとニールワンは独自成分のため商品が限られますが、ナイアシンアミド配合のものは多く販売されています。
ナイアシンアミドは化粧水からクリームまで幅広くあり、刺激性が少ない成分なので取り入れやすいでしょう。
エイジングケアにはインナーケアも大切
ここまではスキンケアについてお伝えしてきましたが、エイジングケアはインナーケアもとても重要です。意識しておきたい3つのポイントを以下にまとめています。
ポイント① 食事でエイジングケア
肌は食べたもので作られるため、偏った食事や食べ過ぎは肌トラブルにつながることもあります。
シミ予防ができる食材
シミが予防できる食事は、抗酸化作用のあるビタミンが効果的です。
アボカド、トマト、パプリカ、キウイ、レモン、ナッツ類など
くすみケアができる食材
体が糖化すると老化物質である「AGEs」が体内に増えるため、肌がくすみやすくなります。糖質の摂りすぎにはご注意ください。
血糖値の上がりにくい低GI食品を取り入れると糖化しにくい体に導きます。
玄米、オートミール、そば、ハイカカオチョコレート、ヨーグルトなどがおすすめです。
ポイント② 睡眠でエイジングケア
日本人は、子供や就労者の睡眠時間が世界で最も低いと言われています。特に30代〜40代の子育て世代は仕事との両立で睡眠時間が少ない傾向にあります。
1日最低でも6時間以上は確保し、良質な睡眠をとることが大切です。睡眠がきちんととれると自律神経のバランスが整い、肌のターンオーバーの改善に繋がりやすいです。
ポイント③適度な運動でエイジングケア
運動すると、血行が促進されるので身体の巡りを整えることができます。
凝りやすい肩周りのストレッチや、足の筋力を鍛えるスクワット、体幹を鍛えるプランクなど短時間でできるものだと続けやすいので取り入れてみてください。
老化のサインに気づいて、早めにエイジングケアをしよう!
生きている限り老化は避けられませんが、毎日の選択を変える事で遅らせることはできます。
自身の老化のサインに早く気付き、エイジングケアを取り入れることで、10〜20年後には同じ年齢でも大きな差が出てきます。
10〜20代は顔立ちのきれいさに目がいきますが、30代以降の美しさの基準は肌やバランスのよい体型に変わってきます。エイジングのサインを見逃さず、スキンケアとインナーケアのWケアで若さを維持しましょう。
参考文献
厚生労働省 eヘルスネット
肌トラブル大全 P149(UVケアと美白成分)/WEVE出版 小林智子