ヌクレオチドとは簡単に言うとどんな意味?ヌクレオシドとの違いやRNAやDNAとの関係性をわかりやすく解説!

核酸の基本構成単位。ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合した低分子の物質のことを指します。今回はヌクレオチドについてわかりやすく解説するとともに、「ヌクレオシド」との違いやDNAやRNAとの関係性、そして我々生物にとってのヌクレオチドの役割についても紹介します。

英語名:nucleotide、英語略:-
独:Nukleotid、仏:nucléotide
同義語:-

目次

ヌクレオチドとは

ヌクレオチドとは、核酸の基本構成単位。ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合した低分子の物質のことを言う。

もっとカンタンに言うと糖とリン酸と塩基が結合したもの

ヌクレオチドとは、糖、リン酸、塩基(酸の対になる物質)が結合したものの総称です。具体的には、塩基、リン酸の双方と結合した糖によって構成されています。

ヌクレオシドとヌクレオチドって?

ヌクレオシドとは、塩基と糖が結合した化合物です。つまり、【塩基+糖】のヌクレオシドにリン酸が結合することで、【塩基+糖+リン酸】のヌクレオチドになります。

ヌクレオチドとDNAやRNAの関係って?

DNAやRNAなどの核酸は、このヌクレオチドが鎖のように連なったヌクレオチド鎖(ポリヌクレオチド)からできています。

ただし、DNAとRNAでは構成する糖、塩基が異なります。またRNAでは一本のヌクレオチド鎖である一方、DNAでは二本のヌクレオチド鎖によって二重らせん構造になっています。

DNAを構成するヌクレオチド

糖は「デオキシリボース」。塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)の4種類。

RNAを構成するヌクレオチド

糖は「リボース」。塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)の4種類。

ヌクレオチドの役割

ヌクレオチドはエネルギーや物質の代謝で重要な役割を持ち、生体内のあらゆる代謝に、ヌクレオチドが用いられています。

たとえばATPと呼ばれるヌクレオチドはエネルギー代謝で重要な役割を持ち、ほかにも母乳の免疫成分にもヌクレオチドが含まれることが知られています。

生命のエネルギー通貨であるATPもヌクレオチドの一種

ATPとはヌクレオチドの一種。正式には「アデノシン三リン酸」という物質ですが、英語名の「“a”denosine “t”ri“p”hosphate」を略し、ATPと称されます。

【グアニン(塩基)+リボース(糖)】のアデノシンというヌクレオシドに三つのリン酸が結合して【グアニン(塩基)+リボース(糖)+三つのリン酸】という構造になったヌクレオチドです。

このATPは生物において、エネルギーを作るうえで非常に重要なもの。私たちが食べ物などで得たエネルギーは、生体内でこのATPに変換されています。そしてこのATPがエネルギーを生み出すことで、私たちは日々動けているのです。

ヌクレオチドはうま味成分にも!

うま味の成分として、グルタミン酸やアスパラギン酸、イノシン酸、グアニル酸といった名前を聞いたことはないでしょうか。

グルタミン酸、アスパラギン酸はそれぞれアミノ酸の一種ですが、実はこのイノシン酸(IMP)とグアニル酸(GMP)もヌクレオチドの一種です。

1908年にグルタミン酸がうま味物質として発見され、1913年には鰹節のうま味成分として、イノシン酸が発見されました。

このイノシン酸やシイタケのうま味成分であるグアニル酸など、うま味をもたらすヌクレオチドを「呈味性ヌクレオチド(ていみせいヌクレオチド)」とも呼びます。実はこんなところにも、ヌクレオチドが存在しているのです。

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