二重らせん構造とは簡単に言うとどんな意味?仕組みや構造的なメリットをわかりやすく解説!

二重らせん構造とは平行な二本の線がらせん状になっている立体構造。相補的な二本のポリヌクレオチド鎖により、DNAは細胞中で二重らせん構造をとっています。今回は二重らせん構造をわかりやすく解説するとともに、「二重らせん構造の仕組み」や「DNAがなぜ二重らせん構造をとっているのか」そして「二重らせん構造の特徴」について紹介していきます。

英語名:Double helix structure、英略語:-
独:Doppelhelix-Struktur、仏:Structure en double hélice
同義語:-

目次

二重らせん構造とは?

二重らせん構造とは平行な二本の線がらせん状になっている立体構造。相補的な二本のポリヌクレオチド鎖により、DNAは細胞中で二重らせん構造をとっています。

二重らせん構造を発見したのは?

二重らせん構造は、アメリカ人科学者ジェームズ・ワトソンと、イギリス人科学者フランシス・クリックによって1953年に報告されました。当時、既にDNAが遺伝の中心にあることは知られていました。しかし、複雑な遺伝情報をどのように制御しているのかについてはわかっていなかったのです。

それがこの二重らせん構造モデルの発見によって、DNAの働きや遺伝情報の制御なども見事に説明でき、分子生物学に大きな影響を与えました。今では生物学の基礎として広く知られています。

二重らせんの仕組みは?

リン酸と、糖、塩基(酸の対となるもの)が結合したものをヌクレオチドと呼び、さらにこれがたくさんつながったものをポリヌクレオチドと言います。DNAは、このポリヌクレオチドが二本合わさって形成されたものです。

DNAの構造で大事なのはこの塩基部分。この塩基はアデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)と決まった組み合わせで水素結合し、塩基対を形成します。この塩基対がらせんの内側で結びつくことで、二本のポリヌクレオチド鎖はしっかりと結びつくのです。

またさらに、塩基対と塩基対の間には疎水性相互作用がはたらき、塩基対と塩基対は一定の距離(0.34nm)で並びます。これらの作用により、二重らせん構造は安定した構造を保っているのです。

DNAが二重らせん構造なのはどうして?

それではなぜ、DNAは二重らせん構造なのでしょうか。もっと言うと、二重らせん構造にはどんなメリットがあるのでしょう。

二重らせん構造の特徴|コンパクトさ

まずは構造的なメリットとして、コンパクトになることが挙げられます。一本の長い鎖として存在するよりも、らせん構造にしてしまうことで空間的に短くなり、体積も小さくなるのです。

二重らせん構造の特徴|強度が上がる

またDNAとは、遺伝情報を保存するもの。そこには長く安定して情報を保存する必要があります。立体的な二重らせん構造を取ることで物理的に強度が上がり、変異や破損をしにくくなるのです。

二重らせん構造の特徴|互いに補える

さらに、DNAの二本の鎖は相補的な鎖となっています。もし万が一、どちらかの一部に破損や変異が起きても、正常なもう一方があることで修復することができるのです。

このように、多くの遺伝情報を長期間安定的に保存するうえで、二重らせん構造は非常にメリットの多い構造と考えられています。

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