抗酸化作用のある食べ物と若返りの仕組みを解説!抗酸化レシピも公開

30代半ばになると、肌が気になり始める年代です。スキンケアを変えても改善しない場合は、食事など内側からのケアを見直してみるのもおすすめです。

この記事では、酸化と老化のメカニズム、美肌を手に入れる為の食事術、老化最強レシピ、食生活を改善してアンチエイジングに成功した人の事例を紹介します。

著者情報

池上淳子

管理栄養士/日本ビューティーヘルス協会代表理事

美容栄養学専門士資格認定講座を運営し、美容栄養学のプロ育成に励んでいる。さらに、スポーツ栄養、高齢者・子ども向け栄養学、生活習慣病予防など栄養学全般の啓蒙活動を行う。

モデルスクールの講師、イベント、セミナー、料理教室、栄養監修、各種メディア出演など活動は多岐に渡る。

目次

抗酸化で若返りは可能!抗酸化と食べ物の関係

酸化と老化のしくみを解説します。

活性酸素で身体が老化する

私たちは呼吸をして酸素を体内に取り入れてますが、その酸素の一部は他の分子と結びつき「活性酸素」に変化すると考えられています。活性酸素は高い酸化力を持っており、酸化は身体が錆びると表現されるように、体内で活性酸素の影響で体が錆びて老化が進行します。生活習慣病やガンなど様々な疾病の原因にもなります。 

活性酸素は加齢により増えると言われていますが、ストレス、タバコ、紫外線、激しい運動、多量の飲酒なども活性酸素が増える要因です。その中でも特に肌老化に関わる要因は紫外線です。

紫外線は皮膚に活性酸素を大量発生させます。シミの原因となるメラニンの増加、シワ・たるみの原因となるコラーゲンの減少などが引き起こされます。

活性酸素が増える要因としてストレス、タバコ、紫外線、激しい運動、多量の飲酒があげられる

活性酸素で肌が老化する

活性酸素が肌の真皮層にある繊維芽細胞などを攻撃すると、コラーゲンやエラスチンの生成が抑制されます。肌の弾力や潤いが維持できず、シワやたるみが発生してしまいます。

活性酸素は表皮層のメラノサイトを攻撃します。メラノサイトは色素細胞とも言われ、紫外線にあたると肌をダメージから守るためにメラニンが生成されシミとなります。ダメージが強いと多くのメラニンが作られ、シミが肌に定着してしまいます。

アンチエイジングには抗酸化物質の摂取が必要

アンチエイジングの為には、肌の酸化を抑制することが大切です。活性酸素の働きを抑える物質が「抗酸化物質」で、その働きが「抗酸化力」です。私たちの身体の中には体内合成抗酸化物質が既に備わっており、活性酸素による傷害から身体を守っています。しかし、それだけでは、完全に酸化を抑制することはできません。

そこで、酸化を抑制するためには、身体の外から多種類の抗酸化物質を摂取することが必要です。

抗酸化作用のある食べ物

活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つ栄養素に、ビタミンE、ビタミンC、β-カロテン、ファイトケミカルがあります。

ビタミンE

身体は数十兆個の細胞でできていますが、その細胞の外側にある細胞膜の主な構成成分はリン脂質です。リン脂質が酸化すると、細胞に傷害を与えて老化や病気の原因となる過酸化脂質が発生してしまいます。ビタミンEは細胞膜のリン脂質の酸化を抑制します。

<ビタミンEが多く含まれる食べ物>
ひまわり油、紅花油、アーモンド、アボカド、かぼちゃ、赤パプリカなど

ビタミンC

ビタミンCは水溶性抗酸化物質として体内のあらゆる抗酸化に役立ちます。ビタミンEは自らが酸化されることで細胞を守りますが、その酸化されたビタミンEを復活させる働きがビタミンCにあり、抗酸化力を高めることができます。

<ビタミンCが多く含まれる食べ物>
レモン、柑橘系、黄キウイ、赤パプリカ、ブロッコリー、じゃがいもなど

β-カロテン

緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは抗酸化作用があります。油と一緒に吸収される為、油で調理をするなど、油と一緒に摂るようにしましょう。

<β-カロテンが多く含まれる食べ物>
ニンジン、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜、青しそ、豆苗など

ファイトケミカル

ファイトケミカルは、植物の色素、香気、苦み成分などで、有名なものにポリフェノールがあります。自然界には数千種類以上あるとも言われています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、アンチエイジングや疾病予防に役立ちます。その他のファイトケミカルを以下に紹介します。

<ポリフェノールが多く含まれる食品>
アントシアニン:ブルーベリー、黒豆、カシス、赤ワイン、赤しそなど
カテキン:緑茶
イソフラボン:大豆
カカオポリフェノール:ココア、チョコレート
ルチン:そば、玉ねぎ
クロロゲン酸:コーヒー
クルクミン:ウコン
ショウガオール:生姜など

抗酸化作用のある食べ物についての図解

管理栄養士が教える!抗酸化最強レシピ3選

上記の抗酸化作用のある食べ物を効率よく摂れるおすすめレシピを紹介します。

彩りベジつけ麺

抗酸化作用のある野菜をたっぷり使用して、油はビタミンEの豊富な紅花油を使用しました。イタリアンと中華の融合です。

抗酸化最強レシピ_彩りベジつけ麺

<材料 4人分>
乾中華麺 200g
ニンニク 2片
玉ネギ 1/2個(100g)
トマト缶 1缶(400g)
☆カレースパイス 小さじ1
☆小麦粉大さじ1
〇中華粉末だし10g
〇水 400㏄
塩コショウ 適宜
紅花油大さじ1
かぼちゃ 8切(100g)
オクラ 4個
赤パプリカ 1/2個(80g)
ニンジン(80g)
茹で卵 2個
紅花油 小さじ1
青しそ 8枚(16g)

<作り方>
①ニンニク、玉ねぎはみじん切りにする
②フライパンに紅花油を熱し1を炒め、☆を加えて更に炒めカットトマト缶を入れて煮詰め、〇を加え、少し煮込み、器に盛り付けたら、ざっくり切った青じそを添える
③カボチャ、パプリカ、人参はスライス、オクラは2等分にカットして、紅花油小さじ1で両面ソテーする
④乾中華麺は2分茹でて、冷水で洗い、皿に盛り付けたら、③と茹で卵を盛り付ける

煎茶のチーズクリームドレッシング

緑茶を粉末にした粉茶を使用することで、料理に活用できます。緑茶に含まれるビタミンCやカテキンは強い抗酸化作用があります。サラダの野菜はお好みで作ってください。

抗酸化最強レシピ_煎茶のチーズクリームドレッシング

<材料 2~3人分>
レタス   適宜
トマト 1/2個(100g)
きゅうり 1本
木綿豆腐 150g
<ドレッシング>
クリームチーズ 18g
粉茶 小さじ1/2
豆乳 大さじ1
レモン汁 大さじ1
オリゴ糖大さじ1

<作り方>
ドレッシングの材料を全て合わせる(初めにフォークでクリームチーズをつぶしながら混ぜると良い)

小松菜のカトルカール

β-カロテンやビタミンCの豊富な小松菜を使ったパウンドケーキです。バナナを入れることでしっとり、もっちり美味しく仕上がります。美容スイーツで食べてキレイになるレシピです。

抗酸化最強レシピ_小松菜のカトルカール

<材料 パウンド型1台分>
薄力粉   60g
ベーキングパウダー 2g
米油 35g
卵 1個
小松菜(ゆで)50g
牛乳   10g
バナナ   1/2本
きび砂糖 30g

<作り方>
①小松菜はやわらかく茹でて軽く水気を絞り、ミキサーに小松菜と牛乳を入れて攪拌する
②米油ときび砂糖を泡だて器で混ぜ、溶き卵を入れて混ぜ、①を加えて混ぜる。
③ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加えて混ぜフォークで潰したバナナを加えひと混ぜする
④クッキングペーパーを敷いた型に③を流し入れ、180℃のオーブンで30分焼く 

食生活を改善して、アンチエイジングに成功した人の事例を紹介

食生活を改善して、肌や身体の老化の悩みを解決したアラフォー女性の事例を紹介します。

肌荒れ、ほうれい線、シミが気になる38歳の偏食女性

【悩み】野菜が苦手で、偏食、欠食、夜食が多いなど、酷い食生活でした。20代の頃から肌荒れが酷く、顔には常に吹き出物がありました。30歳前後で顔のほうれい線や頬のシミなどが気になるように。高価なスキンケアやプチ整形など、外からのケアを中心に行っていたが、根本の解決にはならず。

【対策】抗酸化作用のある野菜や果物、バランスの良い食事を規則正しく摂る事から始めました。苦手な野菜も調理を工夫することで美味しく食べれ、旬を感じられるようになりました。心も穏やかになってきて、風邪もひかなくなり、慢性的な疲労も改善されました。ほうれい線もなくなり、血色は良くなり、肌に艶や弾力が出てきました。

太り気味で加工品やジャンクフードが好きな44歳

【悩み】料理が苦手で、お惣菜や加工食品に頼ることが多く、〇〇の素、と言う加工品を使った料理しか作っていませんでした。野菜もカット野菜ばかり使用していました。お菓子、ジュース、ファーストフードをよく食べていました。
食事の量は多くはありませんでしたが、肥満気味でした。運動も苦手で、炭水化物抜きや断食など色々試し、ダイエットとリバウンドを繰り返していました。LDLコレステロール値が高い状態でした。

【対策】毎朝新鮮な野菜でサラダをたっぷり食べて、バランスよく食事を摂りました。食事量は減らさず、食事の内容を変えました。お菓子は週1回、ファーストフードを月1回と決めて、料理を好きになるように努力しました。取り組んでから2年程でLDLコレステロール値は改善し、体重も減少しました。むくみ、便秘、イライラなどが改善しました。

私たちは食べ物でできている!日々の食生活で老化を遅らせる

私たちは生きているだけで体内に酸化が起こり、老化が促進されます。私たちの身体は恒常性があり、常に一定の状態に戻るという働きがあります。しかし活性酸素などのダメージを受けると、恒常性が維持できなくなり、肌では、シワ・たるみやシミが定着します。

老化を抑制する抗酸化物質は食べることで獲得でき、ご自身の意思と行動で得ることができるのです。アンチエイジングとなる抗酸化作用のある食べ物を積極的に取り入れて、美と若さを維持して健康な生活を送りましょう。

参考文献

eヘルスネット 厚生労働省 活性酸素と酸化ストレス
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html

活性酸素と抗酸化物質の化学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/9/3/9_164/_pdf

皮膚老化概論 酸化ストレスと糖化ストレス

https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/53/2/53_83/_pdf/-char/ja

活性酸素と運動

食品中のポリフェノールの抗酸化活性

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/69/9/69_9_1189/_pdf/-char/ja

ビタミンEの抗酸化作用

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/62/11/62_KJ00001708498/_pdf/-char/ja

ビタミンAとβ-カロテンによる疾病の予防と治療

https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/14/12/14_523/_pdf/-char/ja

抗酸化ビタミンの体内動態とその生理作用

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/58/6/58_6_343/_pdf/-char/ja

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