RNAとは簡単に言うとどういう意味?DNAとの違い・メッセンジャーRNAなど代表的なRNAをわかりやすく解説!

RNA (リボ核酸:ribonucleic acid)とは核酸の一種。リボースと呼ばれる糖、リン酸、塩基から構成される。遺伝子の発現やタンパク質の合成など、構造や働きによってさまざまなRNAが存在することが知られています。今回はRNAに関してわかりやすく解説しつつ、「核酸とは?」、そして「DNAとの違い」についても紹介していきます。
目次

RNAとはリボ核酸(ribonucleic acid)の略称

英語名:ribonucleic acid、英略語:RNA
独:Ribonukleinsäure、仏:acide ribonucléique
同義語:リボ核酸

リボ核酸(ribonucleic acid)とは核酸の一種。リボースと呼ばれる糖、リン酸、塩基から構成される。遺伝子の発現やタンパク質の合成など、構造や働きによってさまざまなRNAが存在することが知られています。

RNAをもっとカンタンに言うと?

生物には、それぞれの遺伝情報にもとづいた「設計図」がDNAとして存在します。RNAとは、生物を構成する物質を「設計図」から写し取るもの。つまりDNAの「設計図」にもとづいて、タンパク質を実際に作るという「実行者」がRNAです。

核酸とは?

RNAは、リン酸と、デオキシリボースと呼ばれる糖、そして塩基(酸と対になる物質)が結合してできています。このリン酸、糖、塩基が結合したものをヌクレオチドと呼び、さらにヌクレオチドがたくさんつながったものを核酸と呼ぶのです。なお核酸には、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の二種類が存在します。

「RNA」と「DNA」って何が違うの?

RNAとDNAは、どちらもリン酸、糖、塩基から構成される核酸であり、構造上はよく似ています。ただし、その機能や実際の姿は非常に異なるものです。

RNAとDNAの違い|構成する塩基の違い

構成する塩基の種類はどちらも4種類ですが、RNAを構成するのはアデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)という4種類の塩基。DNAを構成するチミン(T)が含まれず、代わりにUが含まれます。

RNAとDNAの違い|構造の違い

RNAはDNAに比べてもずっと短く、DNAが「二重らせん構造」であるのに対し、RNAは「一本鎖」の状態で存在するのがほとんどです。

RNAとDNAの違い|機能の違い

さらに機能面でも、DNAが遺伝情報を伝達する役目を持つのに対し、RNAそのものに遺伝情報はありません。DNAが持つ遺伝情報を、実際に形作るのがRNAなのです。

代表的なRNAは3種類

RNAには、構造や働きによってさまざまな種類が存在します。とくによく挙げられるのが、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、運搬RNA(tRNA)の3種類。

タンパク質は細胞内でリボソームという工場で作られます。mRNAはこのタンパク質の情報を含んだもの。rRNAはリボソームを構成する骨格。tRNAはタンパク質の材料になるアミノ酸を、リボソームまで運ぶ役割を持っています。rRNAが工場、tRNAはその製造ライン、mRNAは工程の指示書だと言えるでしょう。

目次
閉じる