東大医科研 成熟膵島細胞の増殖に成功 糖尿病の根治に向け新たな再生治療法の可能性に期待

東大医科研 成熟膵島細胞の増殖に成功 糖尿病の根治に向け新たな再生治療法の可能性に期待

東京大学医科学研究所山田泰広教授らのグループは、成熟膵島細胞を増やすことに成功し、糖尿病の根治に向けて新たな再生治療法の可能性について、2022年2月10日付けの英国医学誌「Nature Metabolism」(オンライン版)に掲載されたことを発表した。

成熟膵島細胞は自己複製能を持たず、その機能低下が糖尿病の原因となっている。同グループは出生前後に増殖する膵島細胞で高発現するMYCLに着目し、MYCLを働かせることで生体内外の成熟膵島細胞に活発な自己増殖を誘発できることを明らかにした。さらに、MYCLの発現により増殖した膵島β細胞によりインスリンが分泌され、モデルマウスの糖尿病が改善したとしている。

膵島細胞の細胞移植療法や膵島細胞増幅技術の開発といった再生医療への応用が期待される。

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