2022年2月10日、千葉大学の大日向康秀講師と理化学研究所などのグループは、「卵黄のう」になる特殊な幹細胞を作り出すことに成功したと科学雑誌「サイエンス」で発表した。
受精卵の分裂によって作られる3種類の細胞のうち、卵黄のうだけはこれまでの技術で作ることができなかった。
今回の研究で、同グループはマウスの受精卵に特殊な処理を行い、卵黄のうになる能力のある新しい幹細胞を作製することに成功。「PrES(プレス)細胞」と名付けた。この幹細胞を卵黄のうができなくしたマウスの受精卵に注入したところ、正常な子どものマウスが生まれた。
大日向講師は、単純な組織から命が生み出される仕組みの解明につながると期待を示す。