がん攻撃する遺伝子、サルに移植した免疫細胞から取り出し成功

2022年1月19日、滋賀医科大の縣保年教授(免疫学)らの研究グループは、ヒトのがんを攻撃する免疫細胞から、がんを攻撃する性質を持つ特定の遺伝子をカニクイザルから取り出すことに成功したと発表した。

今回、ヒトに近い霊長類での研究の必要性から、マウスの代わりにカニクイザルを用いて研究を行った。

がん細胞を移植してがんを発症させたカニクイザルから、免疫反応を起こすT細胞の中でも重要な働きをする「T細胞受容体(TCR)」の遺伝子を取り出し、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から再生したT細胞に導入したところ、実際にがんを攻撃することを確認した。この研究の応用により、再生T細胞を利用した新たながん免疫療法の確立が期待される。

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