2022年4月21日、静岡社会健康医学大学大学院八田太一講師らの研究グループは、患者が自由診療で行われる再生医療を受けて医療費控除を申請した場合に、国が支払う還付金の総額を試算した結果について「Stem Cell Reports」でオンライン公開した。
再生医療については、患者の健康リスクに加えて、経済的リスクがあることが指摘されてきた。今回研究チームでは、医療費控除に基づく還付金制度を通じて、国すなわち国民が負担するという「財政的リスク」について考察し、日本の自由診療で提供される再生医療に国から支払われる還付金の総額を試算した。その結果、医師・医療機関と患者の間の私的なリスクを超える財政的リスクがあり、社会全体にとっても問題があることがわかった。再生医療等安全性確保法の法改正も視野に入れた対応をさらに検討することが必要だと指摘している。
京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)
京都大学iPS細胞研究所では、iPS細胞作製技術を用いて創薬、新しい治療法の開発、病気の原因の解明や再生医療への応用を実現するための研究を行っています。