2022年4月12日、京都大医学部付属病院は血液型がO型の10代の女性患者に、B型の父親とO型の母親の肺の一部を移植したと発表した。血液型が異なる生体肺移植は腎臓や肝臓で多く実施されているが、肺は他の臓器に比べて拒絶反応や感染症を引き起こしやすいため、今回の症例は世界初となる。移植手術は2月16日に行われ、術後も経過が良好だったため、女性は4月11日に退院した。
女性患者は幼少期に白血病を発症し、骨髄移植などの影響で閉塞(へいそく)性細気管支炎を起こし状態が悪化していた。緊急性が高かったことから、今回の生体移植が行われた。
日本移植学会の江川裕人理事長は「肺で血液型不適合生体移植の成功例が積み重なると、保険適用という道が開ける。間に合わずに亡くなる患者が減ることを期待できる」と評価した。
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