東大らのチーム ラットES細胞で精子作りに成功 不妊治療への応用に期待

2022年4月8日、東京大学小林俊寛特任准教授らのチームは、ラットのES細胞(胚性幹細胞)を精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」に変化させ、精子を作ることに成功したと発表した。

本研究では、ラットのES細胞約4000個をボール状の塊にして培養し、生殖細胞への変化を促すたんぱく質を加えたところ、数日で約2割が始原生殖細胞になった。この細胞を、自らは精子を作れない特殊なラットの精巣に移植すると正常な精子が作られ、子孫を残すことができた。

今回、生理的な特徴が人間に近いとされるラットで実現したことで、応用の広がりが見込まれ、不妊治療への応用も期待される。チームは、今回作製した細胞から卵子を作る研究も進めている。

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