2022年2月16日、カナダのユニバーシティ・ヘルス・ネットワーク(UHN)Ajmera移植センターの研究グループは、移植ドナーとレシピエントの血液型を一致させる必要のない、「ユニバーサル」臓器を作り出せる可能性についての研究論文を発表した。
臓器移植では血液型の抗原特性により、他の血液型のレシピエントへの移植は拒否反応のリスクがある。そのためレシピエントの血液型によって移植までの待機期間に格差が生じている。
研究では、A型のドナー由来の肺に体外肺灌流(EVLP)を行うとともに、ドナー肺の一方に対して2種類の酵素処理を施し、臓器表面からA抗原を除去した。その後、O型の血液を用いた不適合臓器移植のシミュレートで免疫寛容が確認された。
血液型による移植の障壁を取り除くために、移植用のユニバーサル臓器を作る重要なステップになることが期待される。