10〜30代の女性に肌悩みを聞けば、必ずと言っていいほどあげられるのが「毛穴」です。特に毛穴の開きは、メイクをしても目立ったり隠れにくく、気になる人が多いようです。筆者の経営するエステサロンでも「毛穴が気になる」という女性はとても多く、毛穴ケアは人気メニューの一つです。毛穴は年齢によって変化するため、今回は30代後半以降の毛穴の変化とケア方法をお伝えします。
著者情報
永松 麻美
エステティシャン/美容家
自分自身が、ニキビやアトピー、肥満で容姿コンプレックスの塊だったことから美容の道を志し、エステティシャンに転身。女性がキレイになっていくことで自信をもち、生き生き輝く姿に変化する魅力に惹かれて資格取得、サロン勤務経験後、28歳でフェイシャル専門サロン＆スクールSUHADAを開業。肌質改善や小顔エステなど2万人以上の美容に携わる。
エステティシャンとしてのサロンワークだけでなく、美容家として、記事執筆、美容講座、プロ向けの講座、スクールの主宰、メディアで美容情報を発信するなど活動は多岐にわたる。
【著書】
「シワとりパーフェクトブック」（産業編集センター）
「正しい知識がわかる美肌事典」（高橋書店）
アラフォー女性の毛穴の開きの原因
毛穴のサイズは、生まれつきの個人差があり、基本的には皮脂分泌の多い肌の人は毛穴が大きく、皮脂があまり出ない乾燥肌の人は毛穴が小さい傾向にあります。しかし、肌質に関わらず食生活や睡眠の乱れ、間違ったスキンケア、紫外線などの影響で毛穴が詰まったり、開いて目立つことがあります。それに加え、30代に入り肌のハリ弾力が徐々に低下していくと、30代後半くらいから頬の毛穴が徐々に下に引っ張られるように開き、目立つようになっていきます。
頬の毛穴をよく見た時に、毛穴が丸い形ではなく楕円形、涙型になっていれば、それは「年齢による肌のたるみによって、毛穴が開いて見える」状態だと思って間違い無いでしょう。
毛穴ケアのための化粧品の選び方
年齢に関わらず毛穴詰まりが起こると、開いて目立ちますし、ニキビなどの肌トラブルの元になります。毛穴詰まりが見られる人は、まず角質ケアや軽めのピーリングで肌の代謝を整え、毛穴詰まりを予防しましょう。
また、摩擦は毛穴が開く原因になるので、スクラブやポロポロが出るような、こするタイプの角質ケアよりも、洗い流す洗顔や美容液タイプなどがおすすめです。メイク製品などは「ノンコメドジェニック製品」「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載されたアイテムを選ぶと、毛穴詰まりのリスクを減らすことができます。
加齢によるたるみタイプの毛穴対策は、肌のハリ弾力の低下が関わっているので、エイジングケア成分が配合された美容液やクリームで、毛穴開きの予防や進行を防ぎましょう。
毛穴の開きを改善！毛穴ケア4か条
毛穴の開きやたるみを改善するために大切なスキンケアは、摩擦を減らす、紫外線対策をする、ハリ弾力をサポートする成分が入ったスキンケアアイテムを継続して使用する、という3つです。
摩擦を減らす
摩擦が多いと、肌は刺激から守るために「厚くなろう」とします。足の裏や、膝の皮膚が硬くなるようなイメージです。そうなると肌は厚く硬くなり、ターンオーバーが乱れ、毛穴詰まりなどの原因になります。
また、摩擦の刺激でハリ弾力が弱くなることもあります。まずは健康な肌作りのためにも、肌に触る時は極力優しく、スキンケアやメイク時の手順は多くなりすぎないように注意しましょう。
保湿をする
保湿はエイジングケアの大前提として大切です。肌の乾燥は老化の入り口、とも言われています。乾燥していると、小じわなどができやすくなるだけでなく、肌がダメージを受けやすい状態になります。そのため、シミができやすい、ハリ弾力の低下が起こりやすいなど、毛穴はもちろん肌にマイナスの影響を及ぼします。
せっかく毛穴対策に角質ケアやエイジングケア製品を使おうと思っても、肌が乾燥し弱っている状態だと、そういったプラスケアのアイテムが負担になることもあります。「全てのケアの基本はまず保湿」と心得ましょう。
紫外線対策をする
肌老化の80〜90％が紫外線が原因と言われるほどです。紫外線A波は、肌の奥にある真皮層まで到達し、肌のハリ弾力を司るコラーゲンやエラスチンを減らしたり、断裂させたり、硬く萎縮させるということが分かっています。
肌が黒く日焼けするわけではなくても、毎日の日焼け止め習慣が肌老化、ひいては毛穴のたるみも予防します。
ハリ弾力をサポートするスキンケアアイテムを使う
ハリ弾力をサポートする成分は、レチノール、プロテオグリカン、コラーゲン、ビタミンC誘導体などが挙げられます。アラフォー以降の毛穴開きのケアは、一時的なものではなく、年齢と共に変化していく肌を継続的にケアしていく必要があります。
長い目でシワ・たるみ対策をすることが、毛穴たるみや開きをケアすることにも繋がっていきます。美は一日にしてならず、継続を心がけて長期的にケアをしていきましょう。
毛穴の開きが改善した2名の事例を紹介
30代と40代の年代の違う2人の女性の事例を紹介します。
スキンケア方法を変えた32歳の女性
【対策】実践したことは簡単で、クレンジング、洗顔後のぬるま湯での「すすぎを30回」しっかりと数えてもらったことと、拭き取りケアをやめてもらっただけです。
洗顔後のすすぎは、意識していないと回数が少くなりがちです。洗顔料の泡が切れればOKではなく、すすぎは30回ほど行うのが良いでしょう。
すすぎが甘く洗浄剤が肌に残っていると、残留成分で毛穴詰まりを起こし、ニキビや黒ずみ、毛穴目立ちの原因になることもあります。
また、拭き取りクレンジングシートと拭き取り化粧水を控えたことで、スキンケア時の摩擦が減りました。
【変化】肌の潤いやハリがアップし、鼻、頬、眉間の毛穴が目立たなくなりました。ニキビができなくなったのが一番嬉しいと喜ばれていました。
エイジングケア化粧品を使った45歳の女性
普段から日焼け止め、基本のスキンケアはバッチリでした。しかし、ナチュラル志向のため、あまりエイジング対策の製品を使っていませんでした。
【対策】肌の様子を見ながらビタミンC誘導体、レチノールなどのエイジングケアになる美容成分配合の化粧品をプラスしました。
【結果】半年ほどで、顔全体のハリが出て頬の毛穴がふっくらしてきました。毛穴がきゅっと締まり、肌全体が若々しい印象になりました。また、同時に小じわも薄くなり、とても喜ばれていました。
毎日のスキンケアで毛穴の開きを予防しよう
肌は年齢と共に変化していきますが、基本のケアは、紫外線対策、保湿、摩擦を避けることです。そして肌の状態に合わせて、年齢と共に失われがちなハリ弾力をサポートする美容成分をうまく使って、毛穴開きを起こさない、進行させないケアをしていきましょう。
参考文献
「正しい知識がわかる美肌事典」永松麻美著
「美肌成分事典」かずのすけ著
「知れば知るほどキレイになれる！美容成分キャラ図鑑」小西さやか著