実年齢よりも若く見える人がいたり、逆に老けて見える人もいます。年齢だけでなく、生活環境、ストレス、ホルモンバランスなど生活環境で老化のスピードは変わります。
見た目年齢は体内年齢と比例すると言われ、毎日の食事が大きく影響しているということが近年、様々な研究で明らかになっています。
30代から身体が冷えやすくなった、疲れやすくなった、目の下のクマやくすみが気になるなど、身体や肌の不調を感じた場合は、身体の機能や代謝が低下しているサインです。
この記事では、身体の内側から健康でキレイになるアンチエイジングに効果的な食材とその摂り方について解説します。
著者情報
小針衣里加
日本フードバランス協会代表理事/ フードバランスアドバイザー
栄養学やバランスのよい食事、ダイエットなどについて学ぶ食の資格講座を開講。健康、美容、認知症予防、ダイエットなど幅広いテーマに沿って全国で講演やセミナーなど講師としても活躍。飲食店向けメニュー開発やTVなど各種メディアにも出演する。食に関する著書を3冊出版。
【著書】
毎日食べたいおかずサラダ(西東社)
食べるだけで若くキレイになる方法(サンマーク出版)
無理せずやせ体質を手に入れるプロテイン+αダイエット(電子書籍)
アインチエイジングに必要な食材
老化の原因は加齢以外に、女性ホルモンの低下や、活性酸素による酸化などがあります。これらの老化要因を食べ物でカバーする事ができます。
若い身体づくりにはタンパク質
健康で若々しい身体をつくるためには、身体の代謝を上げてホルモンの分泌を低下させないようにすることが必要です。その為にも、肉や魚、大豆などに多く含まれるタンパク質をしっかり摂取するということが大前提になります。
タンパク質が豊富でアンチエイジングに効果的な食材を紹介します。
肉類(豚肉、鶏むね肉、鶏ささみ肉)
毎日の代謝をスムーズにさせるためには、ビタミンB1の含有量が全食品の中でも特に多い「豚肉」がおすすめです。また、体内の酸化を防ぎ、よりよい筋肉をつくる「鶏むね肉」や「鶏ささみ肉」なども高タンパク・低脂質・低カロリーで美容や健康に役立つ食材です。
魚(青魚、赤魚、白身魚)
血管を強くし、身体を老けさせないDHAやEPAが豊富な青魚もアンチエイジングに最強な食材です。サバの缶詰などもカルシウムやコラーゲンの多い骨や皮がまるごと食べられ、調理済みで手軽に摂取できるので常備しておくと便利です。
一方、白身魚はDHAやEPAは青魚ほど多くはありませんが、脂質が少なく、タンパク質の割合が多いというメリットもありますので、青魚、赤魚、白身魚など様々な魚料理を楽しみましょう。
豆類
大豆製品など豆類には良質なタンパク質の他に、ビタミンB群やカルシウム、食物繊維、女性ホルモンに似た作用をする大豆イソフラボンなど、ホルモンバランスを整える働きがあり、低脂質でヘルシーな食品です。
納豆や豆腐、おから、味噌など用途に合わせて毎日少しずつでも摂りたい食品です。
若い身体づくりには抗酸化食材(緑黄色野菜や果物など)
「ポリフェノール」と「ビタミンACE」は、活性酸素の発生と働きを抑制して抗酸化作用のある栄養素です。
活性酸素を除去するポリフェノールや、酸化によって傷ついた細胞の回復を早めるビタミンACEは「若返りビタミン」とも言われ、健康な皮膚や粘膜を保ち、コラーゲンを強化するなどアンチエイジングに欠かせない成分です。主に緑黄色野菜や果物に多く含まれています。
<抗酸化成分の多い食材>
〇 野菜:ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、トマト、赤パプリカ、モロヘイヤ、にんじん、大根の葉、茄子、キャベツ、スプラウト、玉葱など
〇 果物:アボカド、いちご、ブルーベリー、プルーン、ラズベリー、グレープフルーツ、柿、キウイ、りんご、オレンジなど〇 その他:緑茶、赤ワイン、ごま、ナッツ類、ココアなど
老化を予防する最強食材ベスト3
私が特におすすめしたい最強食材ベスト3は、アボカド・パプリカ・トマトです。
これらの食材は各栄養素がバランスよく含まれており、生食・加熱と目的に合わせた調理が可能で料理のアレンジもしやすく、一年中手に入りやすい食材です。
アボカドにはルテイン、パプリカにはカプサンチン、トマトにはリコピンという強力な抗酸化成分が含まれており、活性酸素の発生を抑え、病気や老化を予防します。さらに目の健康やメラニン代謝、脂肪代謝を促進させる働きなどが近年注目されています。
アンチエイジングに効果的な飲み物
年齢を重ねると、代謝が低下し、身体が冷えやすくなります。冷えると血行が悪くなり、身体の隅々に栄養が行き届かなくなり、老廃物も蓄積されてしまいます。すると、肩こりやむくみ、肌荒れや吹き出物、自律神経の乱れ、肥満など様々な身体の不調を招き、老化のスピードを早めてしまいます。
そこで、身体を温めて血行をよくし、女性ホルモンの活性を促すナツメを使ったお茶をご紹介します。
ナツメは、鉄分・ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ポリフェノールなどを含みます。乾燥させたナツメは漢方薬や薬膳料理などに使われています。
身体を温める作用の他にストレス緩和作用、貧血や便秘予防、美肌・美髪にもよいと言われています。乾燥ナツメは、薬膳や漢方専門のお店、中国食材店、韓国食材店などで購入できます。
ナツメと干し柿のホットティー
【材料】
乾燥ナツメ 2~3個
干し柿 1個
紅茶のティーバッグ 1個
水 500ml
【作り方】
①乾燥ナツメと干し柿を包丁やキッチンバサミなどで薄くスライスします。(種も一緒にしておきます)
②鍋に水と①を入れ、火をつけます。沸騰したら紅茶のティーバッグを入れてすぐに火を止め、蓋をして15分〜20分そのまま蒸らします。
③ティーバッグを取り出し、カップに注ぎます。(冷めてしまったら温め直して下さい) お好みで生姜やシナモンなどを加えるとより身体が温まります。蒸らし時間を長くするほど、なつめや干し柿のエキスが出て自然な甘さが増します。干し柿の他にドライフルーツのプルーンやいちじくなどもおすすめです。
老化防止最強レシピ2選
アンチエイジング最強食材であるアボカドを使ったレシピを2つご紹介します。
アボカドは20種類ものビタミンやミネラル、食物繊維を含むアンチエイジング食材の代表ともいえる果物です。肉、魚、大豆製品、野菜、海藻類などどんな食品にも合わせやすく、生食・加熱どちらにも適しています。1日に1/2個(約75g)程度を目安に食べることをおすすめします。
アボカドとパプリカの豚肉巻き
抗酸化成分やビタミンACEもバランスよく含まれている赤パプリカと代謝を高めるビタミンB1が豊富な豚肉をアボカドと組み合わせたメニューです。パプリカは加熱してもビタミンCの損失が少ない野菜ですが、レモンや大根おろしをプラスすることでよりビタミンCを多く摂取できます。
【材料】4個分
豚薄切り肉 4枚
アボカド 1/2個
赤パプリカ 1/4個
塩・こしょう 少々
ポン酢 適量
油 適量
酒 大さじ1
大根おろし 適量
レモンのくし切り 適量
【作り方】
①赤パプリカとアボカドは豚肉の幅に合わせて棒状にカットし、アボカドはポン酢をさっとからめておきます。
②豚薄切り肉を広げ、両面に軽く塩・こしょうをふり、①を1本ずつ手前にのせ、くるくると巻きます。
③フライパンに油を少量入れて熱し、②の巻き終わりを下にして焼き色がつくまで箸で全面をころがしながら焼きます。
④全体に焼き色がついてきたら酒を加え、蓋をし、中火にして火が通るまで数分蒸し焼きにします。
⑤包丁で半分にカットして皿に盛付け、レモンと大根おろしを添え、好みでポン酢をかけて頂きます。
アボカドチーズ納豆
アボカドに納豆・チーズ・海苔を組み合わせたメニューです。タンパク質やビタミンB群・食物繊維・ビタミンC・ミネラルが豊富な一品です。お酒のおつまみやご飯、麺類などにもよく合います。青のりやかつおぶし、ごま油、キムチなどを加えてもまた違った味わいが楽しめます。
【材料】一人分
納豆 1パック
アボカド 1/2個
チーズ 10~15g
柚子胡椒 少々
醤油又はタレ 少々
焼き海苔 適量
【作り方】
①納豆を小鉢に入れ、粘りが出るまでよくかき混ぜます。
②角切りにカットしたアボカドとチーズを①に加えて更に軽く混ぜます。
③醤油(又はタレ)と柚子胡椒を合わせ②に加えてさっと和え、焼き海苔をちらします。
身体の内側から健康になることが若さを保つ一番の近道
私たちの身体や皮膚は絶えず変化しています。老化は誰にも止めることは出来ませんが、アンチエイジング効果のある食事を意識して続けることで、老化のスピードを遅らせることはできます。
老化を予防するための食事のポイントをおさらいします。
①身体をつくるタンパク質(肉・魚・大豆製品など)が不足しないようにする。
②活性酸素の発生を抑制する抗酸化食材(緑黄色野菜や果物など)を意識して食べる。
調理もあまり難しく考えないようにしましょう。例えば、トマトを切ってオリーブオイルで和えただけでも十分アンチエイジングメニューになります。食材が中途半端に余っていたらそれらをまとめて具沢山のお味噌汁にすればそれだけで立派な副菜になります。時間がない時はすぐに食べられるサバやツナの缶詰などをプラスするのもよい方法です。
毎日の食習慣こそが細胞を若返らせる近道になります。
今食べているものが10年後、20年後の自分を作ります。「継続はチカラなり」といいますが、毎日の積み重ねが未来の自分に「結果」として返ってきます。いつまでも元気で若々しい身体を維持するためにも早いうちから食事を見直し、身体の内側から健康になりましょう。
参考文献
・「アンチエイジングのすすめ」 米井嘉一 (青春出版社)
・病気にならない魔法の7色野菜 中村丁次監修 (株式会社法研)
・カゴメ株式会社webサイト「トマト大学」
https://www.kagome.co.jp/company/nutrition-health/tomato-univ/medical/
・カゴメ株式会社 リコピンの吸収率についてのニュースリリース