夜のスキンケアで十分に保湿をしたはずなのに、朝起きると肌がつっぱっている。スキンケアもメイクアイテムも乾燥しにくいタイプを使っているのに、日中、目じりやほうれい線が割れて、額にもシワが増えた気がする。
こんな悩みを抱えていませんか?
30代半ばを過ぎると乾燥や小ジワの悩みに直面したり、乾燥しているのにニキビができるといった、肌トラブルを抱える人が増えます。今回は、アラフォー世代の保湿化粧品の選び方とスキンケア方法を紹介します。
著者情報
山田みき
エステティシャン
セラピスト歴19年で、肌質改善エステサロンを経営。肌の悩みを改善するために何をしてもダメだった人の「駆け込みサロン」として人気のサロンとなる。
エステティックコンテスト東京大会では3位、全国大会では5位と、確かなスキンケア技術を持つ。
現在はサロンでの施術だけでなく、オンラインカウンセリングや、各種メディアでも肌質改善についての情報提供を行っている。
30代女性向けの保湿剤の選び方とは?
30代になると肌の保湿成分が減少し、カサつき・ツヤが減る・ごわつき・メイクのノリが悪くなる、などの悩みが出てきます。保湿をせず20代と同じケアを続けていると、2〜3年後には、目尻や額にしっかりとシワが刻まれ、くすんだ肌になる可能性があります。
肌の潤いは、皮脂(油)と水分でできた皮脂膜と呼ばれるものと角層細胞内の天然保湿因子(NMF)や角質細胞間脂質のセラミドが担っていますが、これらは30代になると減ると言われています。保湿成分の減少により、肌が揺らぎやすくなり、乾燥肌や乾燥が原因の肌トラブルが起こりやすくなります。
そのため、30代からは、これらの保湿成分を補い、その働きが正常に行われるようサポートする保湿剤が必要です。
肌タイプ別!オススメの保湿剤
保湿化粧品といっても、たくさんの種類があり、どんなものが自分の肌に合っているか分からず化粧品ジプシーになっていませんか?肌タイプ別でオススメの保湿剤を紹介します。
極度の乾燥肌
極度の乾燥肌の人は、豊富な栄養が含まれているプラセンタ入り美容液や保湿剤(クリーム)がおすすめです。
角質細胞内の水溶性成分である天然保湿因子(NMF)の約40%はアミノ酸類で構成されています。人や動物のプラセンタには、天然保湿因子(NMF)の構成成分のアミノ酸だけでなくビタミン・ミネラルもたっぷり含まれています。
また、セラミド入り化粧品で肌の中の水分をつなぎ止め、さらにオイルベースの保湿剤(オイルやクリーム)を仕上げに使用すると肌の水分蒸発を防げます。
大人ニキビができる乾燥肌
保湿をしてもニキビが治らない大人ニキビ肌の人は、皮脂分泌が多めなのに水分保持が上手に行かず、水分と脂分のバランスが乱れ、ニキビになっていることがあります。
肌の水分をつなぎ止める役割のセラミド入り化粧水を多めに使用し、角質層の水分が逃げないようにしましょう。また、表面がベトベトするような保湿剤はニキビの部位は避けましょう。クリームタイプよりも乳液やジェルタイプの保湿剤を使用しましょう。
鎮静系の化粧品を使用するとニキビの炎症が鎮まりやすくなります。ジャーマンカモミール(カミツレ花エキス)やアラントインは抗炎症・消炎作用のある成分です。
混合肌
鼻には黒ずみがありテカテカしてメイクが崩れるのに、他の部位は乾燥でカサカサしてしまう混合肌の人は、保湿剤は、基本的に「極度の乾燥肌」と同じものを使用しますが、テカリが気になる所にはつける量を減らして調整しください。
夜は乾燥が気になる箇所に、保湿クリームを厚めに塗り、クリームパックをすると寝ている間に栄養成分が浸透し、朝の化粧ノリが良くなります。
保湿効果がアップする!正しいスキンケア方法
適切な保湿剤を使うことと並行して、スキンケアを見直すと肌の保湿力が上がります。
洗顔方法を見直して乾燥を防ぐ
以下の2つがとても重要な洗顔のポイントです。基本を見直すだけでも、保湿効果が上がります。
1. ぬるま湯で洗顔する
冬になると、ぬるま湯の温度が感覚的に上がってしまいがちです。ぬるま湯の目安は、「顔に湯が当たっている時には温かく、水滴だけになったときは寒い」くらいの温度が最適です。
2. 洗顔フォームはよく泡立てる
洗顔フォームや石鹸は泡立てて使う事が前提で、製造と検証が行われています。洗顔を泡立てないで使用すると肌の乾燥をまねきます。
洗顔をし過ぎてないか確認する
「ダブル洗顔不要」という洗顔料が販売されていますが、メーカーがどのように販売したいかでキャッチフレーズを変えて販売しています。そのため、ダブル洗顔が必要かどうかは、ご自身の肌で判断しましょう。
クレンジングして十分にメイクや余分な皮脂などの汚れが落ちていそうなら、洗顔までしなくても問題ありません。鼻の黒ずみが気になるけど、他は乾燥しがちならば、鼻のみ洗顔しても良いです。
環境に合わせてスキンケアを変える
日中は暖房をかけたオフィスにいたり、逆に外周りの仕事だったりすると、肌は乾燥に傾きます。夜は加湿器を入れて、暖房を付けない部屋で就寝すると肌は潤いやすくなります。そのくらい、日中と夜の生活環境は異なるため、一日の中でも肌の調子を見ながらスキンケアを変えましょう。
例えば、日中の乾燥が強い環境にいるならば、クリームやメイク前の下地クリームを高保湿のものを使います。しかし、マスクをする時間が長く保湿力の高い化粧品を使うとマスクの中が蒸れる場合、マスクの中はさっぱりに仕上げ、目元や額はしっかりと保湿しておきましょう。
夜のケアが今の自分に合っているかは、朝起きた時にチェックができます。朝起きた時に、乾燥を感じるようなら、もっと保湿をして寝ます。逆に、ベトついて起きるようなら、少しさっぱりに仕上げます。例えば、目元のみ乾燥しているならば、アイクリームを使用すると良いです。
乾燥を感じると顔全体にベトベトにクリームを塗ることが正解と思われている方が多いのですが、日頃の肌の乾燥具合やベトつき具合を部位で感じて保湿剤の調整を行って見てください。
正しい化粧品とスキンケアで肌が変わった人の事例を紹介
肌の変化を感じているアラフォー女性で、実際にスキンケアで肌が変わった人の事例を紹介します。
どんな保湿剤を使っても乾燥肌が改善しない35歳
今までは、エイジングケア用の高保湿の化粧品を使っており、肌をベトベトにして就寝しても朝になると乾燥していました。洗顔のお湯の温度に気をつけて、洗顔フォームを使う頻度を減らし、プラセンタ化粧品を使うようにしました。2週間程度で、ベトベトにしなくても保湿されている肌を手にすることができました。
大人ニキビが悩みの38歳
脂性肌ではないのに、いつもどこかにニキビが2、3個あり、潰れては痕になり、ファンデーションで隠していました。化粧品販売員に乾燥ニキビと言われ保湿化粧品をたっぷり使用していましたが、全く変化がなく諦めていました。
クレンジング剤は肌に優しいと言われてるミルクタイプを使用していましたが、クリームタイプに変えて、保湿剤のつける量を調整したら、5日程度でニキビが出にくくなりました。
マスク肌荒れに悩む36歳
目の周りや額は乾燥してマスクの当たるところはヒリヒリ、しかし、口の周りにはニキビが出るようになり困っていました。日中のスキンケアをマスクの中はジェルタイプの保湿剤にし、マスクがないところはクリームタイプの保湿剤に変えました。ヒリヒリしていたところは、少し保湿力を高くし、肌をカバーするようにしたら、3週間程度でニキビが鎮まり、目周りや額の乾燥も和らいできました。
30代女性は自分に必要な保湿剤選びとスキンケアの見直しを!
肌質や生活環境が人それぞれ異なるため、みんなに合う化粧品というのはありません。肌が変わりやすい30代は、友人と同じ化粧品でも自分には合わないという事もよくあります。
人と比較するのではなく、自分の肌の足りていない成分を保湿剤で補うことと、今まで以上に適切なスキンケアで肌を守ること。この2つが30代女性の美肌には必要です。
参考文献
・日本エステティック協会 新エステティック学 化粧品学/皮膚科学
・NHK出版 からだ大全
・化粧品成分検定協会 化粧品成分検定公式テキスト