薬膳の美容効果を解説!美肌・美白の薬膳食材&美肌レシピを紹介

アラフォーになり肌の変化を感じてくると、まず化粧品など体の外側からのケアに目が行きがちです。もちろんそれも大切ですが、エイジングケアが必要なアラフォーは、体の内側からのケアも同時進行でしていかなければ、なかなか効果を感じづらくなってきます。

私達の身体は食べたものでできており、毎日の食事が、体調や体質、肌や爪、髪の毛、精神状態にまで影響してきます。毎日食べるものを見直す事で肌悩みの改善にも繋がります。

そこで今回は、美白や美肌に効果的な薬膳食材を紹介し、身体の内側から潤い美しくなる方法を解説します。

著者情報

田中明緒

鍼灸師/ ヴィーガン料理研究家

生まれつき重度のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを改善した経験を活かし、東洋医学、マクロビオティック、ローフード、自然農法を学び、料理教室を開業。鍼灸師としても活動。

鍼灸施術、料理教室、レシピ開発、お料理撮影、執筆、モデルなど活動の幅は多岐に渡る。

【著書】

「薬膳 Vegan healing recipe」(キラジェンヌ出版)

目次

薬膳で身体の中からキレイになる 

薬膳とは、数千年の歴史を持つ中国の伝統医学に基づいた食養生法です。中国には「薬食同源」という言葉があり、薬と食べ物は本来同じであるという考えで、これが薬膳の元になっています。

薬膳には、病気の治療補助となる「食療」と、健康を維持し病気を未然に防ぐための「食養」があります。日常の食事に旬の食材を取り入れることは、食養生であり、薬となる料理=薬膳になります。

一つ一つの食材がそれぞれ独自の働きを持ち、これらを食した時に体に与える作用も異なります。

一日で目に見える効果があるものではありませんが、続けていけば身体の内側からキレイになる変化を感じるでしょう。

美肌効果がある薬膳食材で身体の中から健康にキレイになりましょう。

肌の乾燥、シワにおすすめの食材

肌の乾燥やしわの主な原因は、肌の潤い不足です。体の内側から肌の潤いを補うためには、体液を生成するのをサポートする食材と、肺に働きかける食材を摂るのが良いでしょう。

肌の潤いの元となるのは、単なる水ではなく体液です。体内で体液を生成するのに役立つ食材は松の実、白きくらげ、白胡麻などです。 

中医学において、美肌づくりの要となるのが、「肺」です。肺は皮膚との関連が深いとされ、肌に弾力や潤いを与えたり、肌の表面をガードする臓器と考えられています。

肺が潤っていると肌も潤いますが、肺の働きが衰えると乾燥やしわの原因になることもあります。

白い食材が肺に働きかけると言われています。肺を乾燥から守り、潤す食材は、百合根、小松菜、白きくらげ、いちじく、松の実、レンコン、ゴマなどです。

百合根には、肺や喉を潤し、不足している体液を養う働きがあり、肌に潤いを与える作用もあるため、乾燥肌の方やシワが気になる方にもおすすめです。また、グルコマンナンという水溶性の食物繊維を豊富に含み、胃腸の調子を整え便秘や下痢も改善してくれます。

小松菜には、抗酸化作用があるβカロテンが含まれ、美肌効果の他にも風邪予防や老化防止にも有効です。また、小松菜とレモンを一緒に摂ることで、レモンのビタミンCも美肌を作り、美容効果をアップしてくれます。

白キクラゲは体や肌を潤す効果は黒キクラゲよりも高いです。不老長寿の薬としても用いられ、優れた滋養強壮作用があります。また、免疫力を高めるミネラルが豊富で、抗がんや老化防止の効果も認められています。

いちじくは、体を潤す性質を持っているため、肌や粘膜も潤してくれます。乾燥肌やシワが気になる方にもおすすめな食材です。また、食物繊維も豊富なため、整腸作用があり腸も綺麗にしてくれ内側から美肌を促します。

松の実は、栄養価が高い精力食材です。海松子(カイショウシ)という生薬名を持ち、体の中を潤す作用があります。肺を潤してくれるため、肌や爪も美しく保ちます。

レンコンは、肌に潤いを与えてくれる食材です。肺に潤いを与えて、その機能をアップすると共に、血液の流れを促進して、潤いある肌に導いてくれます。

ゴマは良質な油で、食物繊維、ポリフェノールも多く含み、お通じの改善と老化防止に最適です。

肌の乾燥やシワにおすすめの食材

美白におすすめの食材

中医学では、シミ、そばかすは血の巡りの悪さが原因と考えます。血が滞ると新陳代謝が下がり、老廃物が溜まってしまうため、シミやそばかすができやすくなります。

血の滞りはシミやそばかすだけでなく、クマや肌のくすみにも繋がります。美白を目指すなら、体内の血を巡らせ、肌に栄養を与えることが大切です。

美白やシミ、そばかすに効果的なのは、薬膳でいうところの「活血」食材です。文字通り、滞った血の巡りを改善してくれる食材で、黒豆、ハトムギ、レモン、キクラゲ、パプリカ、ナス、栗、柿などがあります。

黒豆は血を補って巡らせる効能があり、肌荒れ、顔色の悪さを改善する働きもあります。また、成長発育や生殖に関わりが深く、生命力の素の「精気」を蓄える臓器である「腎」を補い、アンチエイジングにもよいという、美容にうれしい食材です。

ハトムギは昔から肌を整える生薬としても用いられており、肌の水分代謝を促進し、余分な老廃物を排出し、肌のターンオーバーを整えてくれます。

レモンには高い抗酸化力を持つビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンを生成する働きがあり、肌のハリやツヤをを保ちます。また、メラニンを抑える働きがあり、さらに古い角質を除去して肌の美白効果が高いです。

栗、柿、パプリカにもビタミンCが豊富に含まれています。パプリカは肌の老化を防ぐルテインやビタミンEも豊富に含まれているため、アンチエイジングにもおすすめです。

キクラゲは体液を補い全身を潤す作用に優れ、美肌・美白効果が高く、「貴婦人の美容食」と言われてきました。生命力や生殖能力を司る腎の働きを補う不老長寿の妙薬とされ、抗老化効果も高いです。

ナスは体内の余分な熱を冷ます効果があり、血の巡りを良くし、新陳代謝を高める効果があります。紫外線を受けた肌をクールダウンしながら、美白ケアもしてくれるため夏の美白や美肌におすすめの食材です。

美白におすすめの食材

美肌におすすめの薬膳レシピ

肌の潤いと美白におすすめの薬膳食材を紹介しましたが、それらを上手く取り入れたおすすめのレシピを紹介します。

トマトとオクラのレモン和え

<材料(2人分)>

・トマト  2個

・オクラ  5個

・レモン汁  大さじ1

・オリーブオイル 大さじ1

・塩  少々

・胡椒  少々

<作り方>

1. トマトはくし切りに切り、オクラはさっと茹でて1cmの斜め切りにする

2. ボウルに1を入れ、レモン汁とオリーブオイル、塩胡椒を加え、味が馴染むように混ぜ合わせる

お肌プルプル白和え

<材料(2人分)>

・もめん豆腐 半丁

・生きくらげ 20g

・れんこん 30g

・こんにゃく 30g

・塩 少々

A)煮汁

・甜菜糖  大さじ1

・しょうゆ 大さじ1

・昆布しいたけ出汁 100ml

B)

・白ごまペースト 大さじ1/2

・メープルシロップ 大さじ1

・松の実  大さじ1/2

・胡桃   大さじ1/2

<作り方>

1. 豆腐は2等分にし、熱湯の中で2分くらい茹でたらざるにあげ、キッチンペーパーで包み重しを乗せてよく水気を切る。

2. 生きくらげは千切りにし、こんにゃくは細切りにして下ゆでをする。

3. れんこんはいちょう切りにし、酢水(分量外)にさらす。

4. 小鍋にAと2、3を入れ、汁がなくなるまで煮詰める。

5. 1の豆腐をすり鉢に入れて滑らかにする。

6. ボールに5とBと松の実と胡桃を入れて混ぜ、塩で味を整えて器に盛る。

美肌黒胡麻スムージー

<材料(2人分)>

・黒スリゴマ  大さじ1

・きなこ  大さじ1

・黒砂糖  大さじ1

・豆乳   200cc

・松の実  適量

・クコの実  適量

<作り方>

1. ブレンダーにクコの実以外の材料を入れ、なめらかになるまで撹拌する。

2. 器に移し、お好みで松の実とクコの実をトッピングする 

薬膳を取り入れて、美肌を叶えよう!

身体や肌の不調は、冷えや生活習慣、ストレスなども大きく関わっています。五臓を労わる薬膳食材を取り入れることで心と体のバランスを整え、肌を内側から美しくしてくれます。

内臓は肌の鏡と言われるように、内臓が整えられることで美肌につながります。

美肌や美白効果がある薬膳食材を食卓に取り入れて、30代後半からも体の中からキレイに美肌を叶えましょう。

参考文献

薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖(西東社)

まいにち漢方食材帖(ナツメ社)

マンガでわかるはじめての和食薬膳(家の光協会)

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