若返る方法!エイジングケアには若返りホルモンを増やせばいい!

30代は20代とは違い少しずつ年齢を感じ始める年代と言われています。肌のお悩みだけでなく、体力面や精神的も含め、人によって様々な変化があります。

今回は、40代以降も若々しく生活していくために大切な、若返りホルモンを意識したエイジングケアについてお伝えします。

著者情報

宮本知明

薬剤師

総合病院で病院薬剤師を経験する中で、病気を治しているのは、薬よりも「自分の体・心・魂に正直に生きること」だと実感し、ホリスティック医療に魅了される。その後、薬剤師としての専門知識を土台に、ホリスティック医学、東洋医学、抗加齢医学、分子整合栄養医学、マインドフルネス心理学、植物療法を駆使して、家庭でできる「薬に頼る前にできるホームケア」を提唱する。

現在、セミナーや専門学校の講師、またSNS、ブログなどで健康・美容に関する情報を発信するなど、幅広く活動中。

【著書】
『薬に頼らない! 自然治癒力を高める本』

目次

エイジングケアは30代から始めるべし!

30代に入ると、さまざまな老化の症状を感じ始める人が増えます。シミやシワが目立ってきたり、痩せづらくなったり、体力が落ちたり、活力も失われる傾向にあります。

このような老化の原因の一つに、私たちの体内で生成されているホルモンが関係している可能性があります。若返りに関係するホルモンが加齢と共に減少することが分かっています。またその減少のスピードが40代に入ると加速する傾向にあります。

30代の内から、若返りホルモンを増やす生活をする事で、40代からの急激な老化のスピードを穏やかにすることができます。

若返りホルモンとは?若返りの仕組みを解説

若返りホルモンとは医学的な用語ではないため、この記事では若返りに関係している以下のホルモンについて解説します。

若返りホルモンとは

エストロゲン

エストロゲンは、女性ホルモンの一つで生理にも関係するため、女性には馴染みのあるホルモンかもしれません。エストロゲンは、肌や髪のハリやツヤに関係しているため、外側からの若さに影響してきます。また、骨を丈夫にする役割もあり、内側から活動的な体を作り、若さを維持する為にも大切なホルモンです。

テストステロン

テストステロンは男性ホルモンの一つで女性には関係ないと思っている方もいるかもしれません。しかし、女性にも男性ホルモンは分泌されており、加齢と共に減少していきます。 

テストステロンは、体の筋肉を作り脂肪を蓄えにくくするため、若く引き締まった体作りに関係しています。また、テストステロンはやる気を生み出すのに関係するホルモンです。女性の社会進出が進む現代では、女性にも必要なホルモンと言えるでしょう。

成長ホルモン

成長ホルモンは、子供が成長するのに大切なホルモンで、その他にも若さを保つ役割もあります。成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復し、身体の新陳代謝を上げて疲労回復にも関係しています。私たちの外側と内側の両方の若さに大切なホルモンと言えます。

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)

DHEAは、男性ホルモンのテストステロンと女性ホルモンのエストロゲンの生成に関係するホルモンです。DHEAは生活習慣病の予防や免疫力の向上、肌のシミを減らしコラーゲン生成を助けることで肌の若さにも関係していることが分かっています。

メラトニン

メラトニンは、体内時計に従って深い睡眠を促すホルモンとして知られています。さらに、強力な抗酸化物質でもあるため活性酸素から脳を守り、認知症やアルツハイマー病の予防にも関係しています。見た目の若さだけでなく、思考の若さもエイジングケアには大切な要因になるでしょう。

マイオカイン

マイオカインは、筋肉から分泌される物質で、運動して筋肉が収縮・伸展を繰り返すことが大切です。

運動による代謝を上げる効果や生活習慣病の予防、認知症の抑制などは、筋肉から分泌されるマイオカインがもたらすと考えられています。運動の習慣も若さには大切なものと言えるでしょう。

またマイオカインは肌の弾力維持とコラーゲンの産生促進にも関与する研究報告もあります。 

若返りホルモンを増やす食事

上記の若返りホルモンの内、食事によって増やすことができるものがあります。どのような食材や栄養素で増やす事ができるのか解説します。

若返るホルモンを増やす食事

エストロゲン(女性ホルモン)にはエクオール

女性ホルモンのエストロゲンを増やすのに関係する成分としてエクオールがあります。

エクオールは大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが腸内細菌によって代謝された際にできる物質です。

大豆製品を摂ることによって産生することができます。しかし、エクオールを作る腸内細菌を持っているのは日本人女性の約50%と言われています。エクオール産生菌を持っていないとエクオールは産生されないことから、エクオールを単体で摂取するサプリメントも販売されています。

テストステロン(男性ホルモン)には亜鉛

男性ホルモンのテストステロンを増やすためには、亜鉛が大切な成分となります。

ある実験では、意図的に亜鉛欠乏症を起こした被験者のテストステロン値が約75%も低下したという報告があります。

亜鉛を含む食品には、牡蠣、牛肉、イワシ、レバー、きな粉、カボチャ、ごまなどがあります。

成長ホルモンにはアルギニン

アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進するアミノ酸です。また、アルギニンは免疫力の向上や脂肪の燃焼、疲労回復、血流改善にも関係しています。

アルギニンを含む食品には、鶏肉、牛乳、エビ、大豆、チョコレート、レーズン、玄米などがあります。

ビタミンB6はアルギニンの吸収を助けることが知られているため、アルギニンとビタミンB6を一緒に摂取するのも大切です。ビタミンB6を含む食品は、カツオやマグロなど赤身の魚、牛や鶏のレバー、バナナ、さつまいもなどです。

DHEAにはジオスゲニン

DHEAの分泌を増やす成分としてジオスゲニンがあります。ジオスゲニンは、DHEAに似た物質として知られており、山芋や長芋にジオスゲニン配糖体が存在して、胃酸によってジオスゲニンに変化します。

メラトニンにはトリプトファン

メラトニンの分泌には、別名「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンというホルモンの分泌量が関係しています。セロトニンが日中に十分に分泌されることで、夜にメラトニンが分泌される仕組みです。

セロトニンを生成するのに関係しているのがアミノ酸のトリプトファンです。

トリプトファンを含む食品には、肉、魚、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、卵、ナッツ類などがあります。

このようなホルモンごとに関係する栄養素を食事に取り入れることで、多様な若返りホルモンを分泌することに繋がります。

若返りホルモンを増やすトレーニング

若返りホルモンを増やすために運動も大切な方法と言えます。特に男性ホルモンのテストステロン、DHEA、マイオカインは筋肉を動かしたり、軽い負荷をかけることで増加することが知られています。

テストステロンの増加に関しては、レジスタンストレーニングと言われる、筋肉に繰り返し抵抗をかけるスクワットや腕立て伏せ、ダンベル運動がおすすめです。レジスタンストレーニングを継続的に行うことで、テストステロンがその後も高いまま推移したと報告されています。

DHEAを増やす運動も類似しており、特に下半身の太ももやふくらはぎの筋肉を中心に、軽い負荷のかかる程度の運動をすることでDHEAを増加させるのに有効と言われています。

マイオカインも同様に、筋肉の収縮によって分泌されるため、スクワットや腕立てなどのレジスタンストレーニングが有効と思われます。

若返りホルモンの分泌という観点のみから考えると、ウォーキングのようなあまり負荷がかからない運動では若返りホルモンの恩恵を受けられない可能性があります。しかし、老化にはホルモンの分泌以外にもさまざまな要因があり、ウォーキングも若返りには有効という説もあるため、上記のようなレジスタンストレーニングに合わせてウォーキングも行うと良いでしょう。

若返りホルモンを増やすトレーニング

若返りホルモンを増やす睡眠

睡眠は、私たちの一日の疲労や体と心の傷を癒すためにも必要です。

若返りホルモンの中でも、成長ホルモンとメラトニンは睡眠の時間と質が保たれる事で、その分泌が促されます。

質の良い睡眠のポイントを紹介します。

若返りホルモンを増やす睡眠のポイント

就寝前のカフェインは控える

就寝前にコーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物を飲むのは控えましょう。飲むのであればカフェインを含まないハーブティーを選んでリラックスして過ごすようにしましょう。

入浴の時間も大切に

入浴する際にも注意が必要です。シャワーよりもしっかりと38〜40℃くらいの湯船に浸かりましょう。あまりに熱すぎると、交感神経が高まり、逆に覚醒状態になってしまいます。

また、入浴後は深部体温が下がる頃に眠りにつくと良いと言われているため、寝る1〜2時間前に入浴するようにしましょう。

寝る前のスマホやテレビも要注意

睡眠前のスマホやテレビの視聴にも注意しましょう。特にスマホはブルーライトという強い光が目に入るため、脳が覚醒状態になってしまいます。

また、最近では動画を視聴する機会も増えてきていると思いますが、あまり刺激の強いものは控えるようにすることで睡眠の質の向上に繋がります。

若返りホルモンを意識した生活で若々しい40代を迎えよう!

若返りホルモンを意識した生活を30代の内から送ることで、40代以降も若々しい身体を維持する事ができるでしょう。

今回お伝えした方法を毎日完璧にこなすことは大変だと思いますので、自分の生活スタイルに合わせて、できるものから取り入れてみましょう。

参考文献

日経Gooday 男性ホルモンは「若返りホルモン」だった!

柴田エイジングケア・美容クリニック ナチュラルホルモン補充療法

DIAMOND ONLINE 脳を若返らせる物質「マイオカイン」の秘密、筋肉との深い関わりとは

OMRON 若返りホルモンとも呼ばれるDHEAの秘密

FANCL マイオカインが精油で分泌促進されることを発見

いとう腎・泌尿器科クリニック エクオール2

西新宿整形外科クリニック 成長ホルモンを増やすにはアミノ酸がいいの?

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