ウィルスとは簡単に言うとどんな意味?生物なの?細菌との違いについてもわかりやすく解説!

ウイルスとは、他生物の遺伝情報を利用し増殖する微生物。タンパク質の殻と、その内部に含まれる核酸から構成されます。今回はウイルスについてわかりやすく解説するだけでなく、ウイルスが生物なのかどうか、ウイルスと細菌の違い、そしてウイルスに抗生物質が効くのかどうかを解説していきます。

英語名:Virus、英略語:-
独:Virus、仏:Virus
同義語:-

目次

ウイルスとは微生物の一種

ウイルスとは、他生物の遺伝情報を利用し増殖する微生物。タンパク質の殻と、その内部に含まれる核酸から構成されます。

ウィルスをカンタンに言うと

ウイルスは、自分以外の生きた細胞に侵入しないと増殖ができない微生物です。自身の遺伝子をDNAまたはRNAの形で持つものの、細胞は存在しません。

ヒトに感染すると病気を引き起こす病原体のひとつとして知られていますが、なかには毒性のないウイルスもあり、研究等に用いられています。

ウイルスは生物ではない?

一般的にウイルスは生物ではないとされています。その理由は、自力で増殖ができないため。ウイルスは他生物の細胞を借りて複製します。さらに生命の最小単位とされる細胞や、細胞膜も持ちません。

しかし一方で、ウイルスは独自の遺伝子を持っています。そのため一般的には非生物とされているものの、とても曖昧な存在です。

どうやってウイルスは増殖する?

細胞を持たないウイルスは、自分を複製するための設計図である、遺伝子を持っています。

ところが、その設計図を実行できる設備である細胞を持ちません。そこで他の生物(宿主)の細胞にこっそり入り込み、自分の設計図を混ぜて複製させるのです。

増殖したウィルスは何をするの?

そうして宿主の細胞内にはウイルスの遺伝子情報が大量に生成され、ウイルス由来のタンパク質も合成されます。

こうして複製できたウイルスは宿主の細胞外へと脱出するのですが、このとき宿主の細胞膜や細胞壁は破壊されてしまいます。

そしてまた新たな細胞に侵入し、壊しながら増殖するウイルスにより宿主の細胞が破壊されてしまうことで、病気などの症状が現れるのです。

「細菌」と「ウイルス」の違いは自力で増殖できるかどうか

「ウイルス」と「細菌」は、どちらも人の健康に影響を与える病原微生物として知られています。

しかしその構造は大きく異なるもの。細菌はウイルスと違って自身の細胞を持っており、適度な栄養や水分があれば、自分の力で増殖することが可能です。

そのため「細菌」は生物と分類されています。

ウイルスに薬(抗生物質)は効く?

ウイルスに対して、抗ウイルス薬を開発するのは非常に大変です。ウイルスがとても単純な構造をしているのが、理由のひとつ。

医薬では、対抗するターゲットに対して、ターゲット独自の弱点や標的を狙います。

ところがウイルスはタンパク質の殻に遺伝子が入っているだけというシンプルな構造のため、標的として狙える部分がとても少ないのです。

また、宿主の細胞内で増殖するため、宿主に影響を与えずにウイルスだけを狙う薬を創るのは難しくなります。 

さらにウイルスは形状もサイズも、それぞれ異なるもの。遺伝子もDNAなのか、RNAなのか、その形も一本鎖、二本鎖、環状などさまざま。

このためひとつひとつのウイルスに対応する薬剤を創る必要があり、万能薬のようなものを創るのはとても難しいのです。

加えてウイルスは変異もしやすいため、せっかく創った薬でも効果が出なくなる場合があります。

なお細菌は細胞を持っているため、細胞の構造や機能に作用する抗菌剤や抗生物質がとても効果的なのです。

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