ゲノムとは簡単に言うとどんな意味?DNAとの違いやゲノム解析・ゲノム編集についてもわかりやすく解説!

ゲノムとは、一組の染色体のDNAに含まれているすべての遺伝情報のこと。遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉です。今回はゲノムに関してわかりやすく解説しつつ、「ゲノムとDNAの違い」や、「ゲノム解析」そして「ゲノム編集」についても紹介していきます。

英語名:genome、英略語:-
独:Genom、仏:génome
同義語:-

目次

ゲノムとは?

一組の染色体のDNAに含まれているすべての遺伝情報のこと。遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉です。

ゲノムとはもっとカンタンに言うと遺伝情報を全てまとめたもの

生き物において親から子へと受け継ぐ、ひとそろいの遺伝情報セットことをゲノムと言います。たとえば「遺伝子」とはひとつひとつの遺伝情報のことを指し、鼻の部分や目の部分それぞれに存在します。これらの生命を作るために重要な情報すべてをまとめて「ゲノム」と呼ぶのです。

つまり、ロボットのパーツごとの設計書を「遺伝子」と呼ぶなら、「ゲノム」はまるまる1冊のロボットの設計書を指します。

「ゲノム」と「DNA」の違いは?

遺伝情報といえば「DNA」を思い浮かべるかもしれません。DNAとは、正式にはデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)と言います。つまり、遺伝情報を持った化学物質の一種です。「ゲノム」とはそのDNAに含まれる情報のこと。特定の物質を指す言葉ではありません。つまり「ゲノム」の実態は「DNA」となりますが、それぞれ別のものを指します。

ゲノム解析とは

ゲノム解析という言葉をニュースなどでも聞くことがあります。ゲノム解析とは、生物における遺伝情報を解明すること。つまりゲノムを構成するDNAの塩基配列を決めることからスタートします。

ところが、この塩基配列がわかるだけでは遺伝情報を解明できません。たとえば、どこに鼻の遺伝子があって、どこの部分が目になる遺伝子なのか等、さらに情報を解析する必要があるのです。とくにヒトゲノムの解明は、病気の予防や診断・治療にも結びつくとして、非常に期待されています。

ゲノム編集とは

ゲノムを利用した技術に「ゲノム編集」という技術があります。生物におけるゲノム、つまりDNAの塩基配列の特定の部位だけを狙って変化させるのが、ゲノム編集技術です。

ゲノム編集の今後

食糧などで品種改良をする場合は、交配を重ねて時間をかける必要があります。ところがこのゲノム編集技術を用いると、特定の遺伝子に狙った変化を起こすことができるため、品種改良のスピードは格段に上がるでしょう。

ゲノム編集の課題

ただしゲノム編集技術に対しては、意図せぬ部分も変化させてしまうリスクや、人為的な操作が生物の多様性に与える影響など、さまざまな議論も起きています。非常に有用な技術として期待されているものの、課題も多い技術なのです。

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