ストレッチの効果を7日間で実感!美肌を叶えるストレッチを紹介

アンチエイジングを始めるのに、最も適した年齢は何歳だと思いますか?

答えは「35歳」です。

30代で老化対策とは少し早すぎるような気もしますが、東洋医学の「天癸(てんき)」の一節によると、“女性は30代の7の倍数で、さまざまな老化現象が出始める” という記述があります。

30代も後半に差し掛かると、それまでに経験したことのないような肌トラブルに見舞われる女性が少なくありません。様々な化粧品を試しても、思うような効果が見られないという方もいるでしょう。

実は、老化を食い止めようとした時に、化粧品ではカバーしきれない、体の生理学にまつわる要素が存在します。その要素を、ちょうどいい具合に補ってくれるのが、ストレッチなのです。

※「天癸(てんき)」
漢方や鍼灸に用いられる成長と老化の目安。女性は七の倍数、男性は八の倍数の歳の前後に精やホルモンにまつわる変化が起きるとされている。

著者情報

深井 みほ子

薬膳・ヨガ・マインドフルネス研究家

IT業界の激務から、心の不調と婦人科の病を患う。そんな時に薬膳とヨガに出会い、病院でも治らなかった病気が3ヶ月で完治したことをキッカケに、ヨガ講師の道へ進む。
薬膳とヨガを組み合わせた、薬膳ヨガ®︎を体系化し、スクールを開業。受講者は3万人、300人以上の講師の養成を行ってきた。

TVや雑誌などの各種メディアでの執筆、監修、レストランのレシピ監修など、講師以外にも活躍をしている。

目次

ストレッチは7日で効果を実感できる最強アンチエイジング法

ストレッチは最強のアンチエイジング法で、個人差はありますが、約7日で肌に嬉しい効果を実感できる方が多いでしょう。 

ストレッチとは体の奥深くにある血液や内臓に外からアプローチし、内から肌を改革できる手軽なアンチエイジング法です。なぜストレッチがアンチエイジングに繋がるのかを解説します。

血流を促す事でアンチエイジングに

老化は血行不良によって進むことが分かっています。血液は酸素や栄養分がたっぷり含まれた美容液のようなもので、ストレッチで血流が良くなる事で、その美容液が全身に巡り老化防止に繋がります。

皆さんもこんな経験をしたことはありませんか?

「体を動かして鏡を見たら、肌がいつもよりきれいに見えた」

「スマホを長時間使って鏡を見たら、びっくりするほど老けて見えた」

これらは決して、気のせいではありません。前者は、運動によって血行が促され、酸素や栄養が肌まで十分に行き渡った事が考えられます。後者は、長時間同じ姿勢を続けたことで血行不良が起き、老化を思わせるくすみや乾燥などが起きてしまったことが考えられます。

血流だけで顔全体の印象が変わるのです。

ツボが刺激され内臓が活性化してアンチエイジングに

ストレッチがアンチエイジングに繋がるもう一つの理由は、ストレッチをする事でツボが刺激できるからです。ツボとは本来、鍼やお灸で使われるもので、ストレッチで用いるというのはあまり聞いたことがないかもしれません。

東洋医学では「肌は内臓を映し出す鏡」という表現がよく使われます。人の体は、その内臓や各器官のバランスや調子が崩れると、生きていく上で最も支障が少ないところである「肌」から、そのサインを出すと言われています。ストレッチでツボが刺激され、内臓から肌を整えていきます。

ストレッチでツボが刺激され、内臓から肌を整えていきます。

効果的なストレッチのコツ

前述のように、ストレッチがアンチエイジングになるのは、血流を促し、内臓を刺激するからです。ストレッチをする際にはこの2つのポイントを押さえておく必要があります。 そのためには、以下を守りながらストレッチをするようにしましょう。

効果的なストレッチのコツは3つ

息を吐きながら伸ばす

ストレッチの効果を最大限に引き出すためには「息を吐く」タイミングで、筋肉を伸ばすのがポイントです。人間の体は、息を吐く時の方が吸う時よりも、副交感神経が優位になり、筋肉が緩みやすくなります。そのため、息を吐きながら体を伸ばすと、血行が促進されます。ストレッチを行う際には、ぜひ「息を吐きながら伸ばす」ことを実践してください。 

一つのパーツを10秒以上伸ばす

ストレッチにかける時間は1回10秒と短く、朝起きた時と夜寝る前の1日2回行えばOKです。

10秒以上伸ばす事で、関節の柔軟性が向上し、内臓に十分な刺激が伝わり、血流が促されます。

ツボの場所を意識して伸ばす

どのツボを刺激するかで、効果が変わります。肌のアンチエイジングに関係するツボを紹介しますので、そのツボを意識しながらストレッチをしましょう。

肌のアンチエイジングに効くストレッチ

肌のアンチエイジングを叶える2つのストレッチを紹介します。

肌のアンチエイジングに効く2つのストレッチ

保湿力を高める「肺のストレッチ」

保湿力を高めるには、肺のツボを刺激するストレッチが効果的です。肺は呼吸をするだけでなく、血液中の酸素を増やす「ガス交換」の役割と、皮膚の表面に蒸気のような潤いの膜を作る役割も担っています。

肌が乾燥している、みずみずしさがない、ツヤが失われている、と感じる時は、肺のツボを刺激して、肌に潤いを取り戻しましょう。

<肺のツボの場所>

肺のツボは「腕の内側」にライン状に点在しています。

手首~腕の折り目のところ~二の腕の内側~腕の付け根(腕を広げて後方に引いていった時に張る感じがするところ)

<やり方>

ストレッチに慣れてない人は、背筋がこわばっていることも多いので、最初は負荷の小さい方法で慣らしていきましょう。

①正座をする 

②屈んで腕を伸ばし、両手をできるだけ前につく

③顎を引き、おでこを床につける(両手を更に前につき直す)

<ポイント>

ここまで無理なくできるようであれば、②で屈んで腕を伸ばす時に、お尻をかかとから浮かせ、腰を高く引き上げてみましょう。痛いと気持ち良いの間くらいのところまで、腕の内側が伸びるようにしてください。

その際、両手をその都度前方につき直すようにして、できるだけツボエリアに刺激が感じられるようにしましょう。 

②で腰を引き上げることができたら、息を吐きながら、少しづつ胸を床に近づけていきましょう。

浮き輪を水に沈めるような気持ちで、じわじわと体重を腕にかけ、筋肉を伸ばしていきます。

もし背中が痛いと感じたら、少し腰を下げて、無理なく行ってください。

ホルモンバランスを整える「腎臓のストレッチ」

腎臓は尿を作る臓器ですが、子宮や卵巣などの女性ホルモンの役割にも深く関わっています。更年期障害の治療を漢方で行う時に、腎臓のための生薬が処方されることからもわかるように、五臓六腑の中で最も老化に深く関わっているのが腎臓です。 

ほうれい線が目立ってきた、しわが気になる、と感じる時は、腎臓のツボを刺激して、すでに感じ始めている老化症状を食い止めましょう。

<腎臓のツボの場所>

腎臓のツボは上半身と下半身の背面に、ライン状に点在しています。

うなじ・背骨の両脇・両脚の腿のうら・両脚の膝のうら・両脚のふくらはぎ・両脚のアキレス腱

(上半身はノビをした時に締まる背筋、下半身は前屈をした時に痛みを感じる部分)

<やり方>

前屈が苦手な方も多いので、ここでは片脚ずつ行う方法をご紹介します。

① 四つ這いになる

②手のひらと爪先で床を押し、腰を引き上げ、片脚ずつ膝を伸ばす(足踏みしながら右、左と自転車を漕ぐように)

③頭を中に入れ、腕と背中を伸ばし、最後に両膝を伸ばす 

<ポイント>

片脚ずつ行って、強度を高めてみましょう。まず右膝を伸ばして10秒、次に左膝を伸ばして10秒というように、休んでいる方の膝は完全に曲げ、伸ばしている方の膝は、その分強く伸ばすようにします。

②で片膝を伸ばした時に、ゆとりがあれば足の位置を少し後方にずらしましょう。

息を吐きながら、ゆっくりかかとを床につけていきます。吐き終わりで、足裏全体を床にぴったりつけられればベストです。

ストレッチでお悩みが解決した事例をご紹介

上記で紹介した2つのストレッチを実践して、実際にお悩みを改善した人の事例を紹介します。

38歳アトピーが悩みの女性 

できるだけ薬を使わないようにしたいというご希望があり、肺と腎臓のストレッチをメインとしたプログラムを実践しました。結果、1日で痒みが弱まり、赤みがひいて、よく眠れるようになりました。ストレッチのできない日が続くと再発し、ストレッチを再開すればその日の内に症状が改善しました。今では薬に頼らず暮らせるようになりました。

40歳口周りの乾燥、口角炎が悩みの女性

本人は「強すぎる暖房」と「過食」が乾燥の原因ではないかと感じていました。特に口周りが乾燥していました。そこで、寒さ対策として体を温める効果もある腎臓のストレッチを強化し、さらに、食欲をコントロールする効果のある胃のストレッチを加えました。

結果、1日で暖房をつけずに過ごせるようになり、翌日に過食が治まりました。5日目には口周りの炎症もひき、顔色がトーンアップしたと同僚に褒められたそうです。

ストレッチは体の内側から肌を変える

上記の事例からも分かる通り、ストレッチを実践した方の多くが、まず体の不調に改善が見られ、その後で肌の改善が見られています。

体調が良くなった後で、初めて肌の変化が見られるということは、肌トラブルを根本から解決することができているということを意味しています。このように、ストレッチとは体の奥深くにある血液や内臓に外からアプローチし、内から肌を変える事ができる手軽な方法と言えるでしょう。

私がこのストレッチを始めたのは、35歳を少しすぎた頃、まさに老化のスタートラインの時期でした。当時は頬には粉が吹き、メイクができず、外出するのも憂鬱でした。ストレッチを実践し、再びお化粧ができるようになった日の喜びは忘れられません。

30代でアンチエイジングを始めるなら、まずストレッチを習慣にしてみてください。

参考文献
『ぜんぶわかる 人体解剖図』(成美堂出版/坂井建雄 著)
『実践講座 中医弁証』(東洋学術出版社/楊亜 平 著)

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