ヨガの効果を10日で実感!効果を出すヨガのコツとポーズを紹介

35歳を過ぎると、急に太りやすくなってウエスト周りや、お尻の形も気になり始めます。肌の調子や手足の冷え、疲れやすさ、ちょっとした時の尿漏れなど悩みが急に増えてくるものです。 

30代後半も心地よく過ごすために役立つ「ヨガの習慣」をご紹介します。

小田祥子

著者情報

小田 祥子

看護師/ヨガ・瞑想講師/マインドフルネストレーナー

看護師として21年間勤務。大学病院、CCU(冠状動脈疾患集中治療室)、消化器・呼吸器内科、整形外科病棟、クリニック、老人ホームなど、医療と介護の現場で、さまざまな症状の患者と接してきた。病気になって薬で症状を抑えるのではなく、自己治癒力を高める必要性を感じ、予防医療の知識を習得。その中で、短期間で体本来の機能の回復ができる、ヨガや瞑想の効果を感じ、年間3000名以上に、メンタルヘルスの指導を行う。

また産業保健看護職、産業心理カウンセラーとして、企業の労働衛生活動のサポートにも従事。個人向けのレッスンやセミナー以外にも、各種メディアでの執筆を通し、健康なカラダづくりの大切さを訴えている。

目次

ヨガは1日10分で効果を実感できる最強アンチエイジング法

ヨガには、適度に筋肉を増やし、柔軟性が高まる運動的な効果に加え、呼吸が深くなることで新陳代謝が促されます。また、自律神経やホルモンバランスが整い、免疫力アップや疲労回復、ストレス軽減効果、癒しの効果などもあります。

ヨガの効果はどれくらいで実感できる?

ヨガを初めて試した人でも、60分程度のレッスンをすると、体がよくほぐれて気分がスッキリする感覚を十分感じることができます。

ダイエット効果を期待するのであれば、60分のレッスンを週に2回以上、3か月間は続けましょう。

ヒップアップなどボディーラインのパーツ毎の変化であれば、1日10分のヨガを毎日続けることで、10日前後で部分的な変化を実感することもあります。

週に1回のペースの場合、ヨガを行ったその日の変化は感じられるかもしれませんが、ボディーラインや体重の変化などの効果を得るのは難しいかもしれません。

効果を出すためには継続する事が重要です。自分のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を見つけることも効果を得るためのポイントです。

ヨガで効果を出すためのコツ

効果的にヨガをするためのコツをご紹介します。

一つのポーズを30秒以上キープする

筋肉にストレッチの効果が十分現れるのには、20〜30秒はかかるため、体に意識を向けながら30秒以上かけて行いましょう。特に、プランクなどの体幹力が必要なポーズで、筋肉を鍛えてボディラインを引き締めたい場合、ポーズのキープは重要です。

ゆっくりとポーズを行い、瞬間毎の体の変化を感じる事で、ストレッチ効果によって体の歪みが整い、肩こりや腰痛、内臓下垂の改善、新陳代謝アップなど様々な良い効果があります。

呼吸を意識する

自律神経やホルモンバランスを整えるヨガの効果は、ゆったりとした、深い呼吸なしには得られません。ヨガの呼吸には、心を安定させ集中力を高める「セロトニン」という脳内神経伝達物質の分泌を促す効果もあります。また、代謝を上げて脂肪を燃焼するには酸素が必要ですので、頑張り過ぎずに、自然な呼吸をしているかどうかを意識しながら行います。

「心地良さ」を大切にする

ヨガは、たくさん体を動かせば良い、限界まで頑張る方が良いというわけではありません。ポーズを行う過程で「心地良さ」を感じている時こそ、身心の緊張は緩み、体の内側から巡りが良くなります。自律神経の働きによって血液やリンパの流れ、内臓の働きが良くなり、体の老廃物を外へ出そうとするデトックスの働きも促されます。

全身の巡りが整い、体の内側から心地良さを感じている時、体の内側からまるでマッサージされているような心地良さがあり、心の安定や安心感、幸福感や自己信頼の感情をもたらします。ヨガでは、体の声を聴きながらいつでも「心地良さ」を探しましょう。

プロが教える!ダイエットにオススメポーズ

ポッコリ下腹解消ポーズ

お腹周りをスッキリさせるポーズです。椅子に座って行うこともできるので、オフィスでの休憩時間に30秒エクササイズとしてもおススメです。

<やり方>

1.体育座りの姿勢になります。腰を立てて背すじを伸ばしましょう。椅子で行う場合は、浅く腰掛けて背筋を伸ばします。

プロが教える!ダイエットにオススメポーズ ポッコリ下腹解消ポーズ

2.脚を床から浮かせた状態で、バランスを保ちます。可能であれば膝から下が床と並行になるまで足を持ち上げ、更に余裕があれば、膝を伸ばしてバランスを保ちます。自然な呼吸を続けて30秒キープします。

プロが教える!ダイエットにオススメポーズ ポッコリ下腹解消ポーズ

代謝アップポーズ

背中と二の腕の引き締め効果、上半身の血行促進効果の他、腎臓の排泄の働きが促され浮腫みの解消にも役立ちます。体幹部のインナーマッスルを使いながら胸を開くので、姿勢がよくなり、スタイルアップに繋がります。

<やり方>

1.うつ伏せになり、両手を胸の横に置きます。両足の間が拳1個分となるように両腿を寄せて、足の甲と恥骨は床に押すようにします。脚全体を強く保つことで腰を守ります。

2.息を吸いながら手で床を押して、胸を起こします。肩甲骨を背骨に寄せるようにして胸を開きましょう。両腕は脇を締めて、肘は軽く曲げます。自然な呼吸を続けて30秒キープします(更に余裕があれば、目線を空に向けることで甲状腺に働きかけ、新陳代謝を高めます)。

代謝アップポーズ

3.膝は床についたまま腰を上げて四つ這いになります。更に腰を後ろへ引いて、正座のような状態からマットにおでこをおろした子供のポーズになります。背中を楽にして呼吸を整えましょう。

子供のポーズになります。背中を楽にして呼吸を整えましょう。

全身引き締めポーズ

体幹だけでなく、二の腕、脚、お尻も引きしまるポーズです。難しく感じる場合は膝を曲げて行います。

<やり方>

1.長座の姿勢になり、両方の手のひらを、腰から手のひら一枚分後ろに置きます。難しく感じる場合は、膝を立てて足を肩幅に置いた状態から行います。

2.深く息を吸ったら、吐きながら手と足で床を押し、体を持ち上げます。つま先を床へ下ろすようにします。自然な呼吸を続けながら、出来れば30秒キープしましょう。

全身引き締めポーズ

3.ゆっくりとマットに下りてきたら、仰向けになって力を抜きましょう。

くびれ作りポーズ

体側を伸ばすことでわき腹をスッキリとさせて、新陳代謝を高めます。肩こりや腰痛の緩和、改善効果もあります。

<やり方>

1.床にあぐらで座った姿勢から、右脚は膝を曲げて、踵を腿の付け根近くに置きます。左脚は大きく開いたところに置きます。腿裏が突っ張る場合は軽く膝を曲げます。

2.息を吸いながら右手を挙げて、体側を伸ばし、息を吐きながら上半身を左側へ倒します。

くびれ作りポーズ

3.体の右体側が心地よく伸びるところで、自然な呼吸を続けて30秒ポーズを保持します。

体が前へ倒れないようにして、胸を開いた状態を保ちながら、ゆっくりと息を吐くことで、体側の伸びが更に深まります。自然な呼吸ができて、心地よく感じられるところを探しましょう。

4.左側も同様に行います。

PMS(月経前症候群)の改善におすすめのポーズ

以下のポーズは、ヒップアップ効果や、骨盤底筋群が強化し尿漏れの予防や改善に役立つ他、骨盤周辺の血流を良くして、PMSの症状を和らげる効果もあります。就寝前や、起床後時間のある時に行います。

ヒップアップ&PMS緩和 橋のポーズ

<やり方>

1.両膝を立てて、足をお尻の近くに置きます。

2.ゆっくりと息を吸い、吐きながら足と肩で床を押して、腰を持ち上げます。足裏全体で床を押しましょう。膝が外側へ開いて腰に負担がかかることのないよう、注意して行います。

PMS(月経前症候群)の改善におすすめのポーズ
ヒップアップ&PMS緩和 橋のポーズ

3.自然な呼吸を続けて30秒キープします。30秒経ったら、背骨の上の方からゆっくりと体をおろします。

便秘改善におすすめのポーズ

片足ガス抜きのポーズは、PMSや更年期等の婦人科系の症状全般の改善に役立つ他、便秘や腰痛緩和にも良いポーズです。寝る前や、起床後時間の余裕のある時、またはPMSや便秘等体の不調を感じる時に行います。

仰向けねじりのポーズは、骨盤周辺の緊張を和らげる他、腸の捻じれを改善し便秘にも効果があります。胸が開きやすくなって呼吸も深くなるので、リラックス効果も高まります。お風呂上りや、就寝前にベッドの上で行うのもおススメです。

<やり方>

1.右膝を抱えて胸に引き寄せます。自然な呼吸を続けて30秒キープします。

便秘改善におすすめのポーズ

2.右手を床に置き、右膝を左に倒します。自然な呼吸を続けて30秒キープします。

右手を床に置き、右膝を左に倒します。自然な呼吸を続けて30秒キープします。
反対側も同様に行う

3.仰向けの姿勢に戻ってから、左側も1、2と同様に行います。

不眠やストレスの改善におススメのポーズ

不眠やストレス解消には、呼吸瞑想がおすすめです。

瞑想には、疲労回復、ストレス軽減の他、集中力アップ等の効果があります。

瞑想中の意識では、脳波はリラックス状態のアルファ―波や、まどろんだ意識の時に見られるシータ波です。特にシータ波では「新生ニューロン」という神経細胞が増えることがわかっています。呼吸瞑想を寝る前に行うことで睡眠の質が良くなり、脳疲労や慢性疲労の改善効果があります。

瞑想しながら眠ってしまうこともあるので、就寝の準備を整えて布団に横になってから行いましょう。

<呼吸瞑想のやり方>

1.仰向けに横になります。手足を楽なところに置きましょう。(仰向けでの呼吸が辛く感じる 場合は、横向きに姿勢を変えます)

2.呼吸に意識を向けます。鼻での呼吸を行いながら、自然な呼吸の様子を感じます。

3.胸に意識を向けて、大きく息を吸います。十分吸ったら、鼻からゆっくりと息を吐きます。

4.3の呼吸を吐き終えたら、もう一度大きく息を吸います。3の時よりもゆっくりと、出来るだけ深く吸ってから、ゆっくりと鼻から吐いていきます。

5.1〜4を3セット行います。

ヨガをしてお悩み解決した人の事例を紹介

ヨガをして悩みが改善した2名の事例を紹介します。

便秘と過食が改善した女性 30代

【悩み】大学病院で看護師として勤務しており、夜勤もあり生活リズムが不規則で、便秘に悩んでいました。ひどい時には3日以上排便がなく体も重くて、時々下剤も飲んでいました。

休憩のない夜勤の後は、帰宅してから過食をする傾向がありました。体重は増え、胃や肌の調子も悪くなっていました。

【変化】週に2回ヨガのレッスンを受け、2ヶ月ほどすると、毎日自然とお通じが出るようになりました。体の重だるさや肌荒れが改善しました。

ヨガのレッスンに行くと、過剰な食欲がスーッとなくなり、イライラも自然と消えていました。

PMSや生理不順が改善した女性 30代後半

【悩み】生理不順やPMSで悩んでいました。

【変化】ヨガを始めてから1年ほどで生理が定期的に来るようになりました。月経血の量も安定し、腰や下腹部の症状も今では出ていないそうです。

ライフスタイルに合った方法でヨガを楽しもう!

ヨガの練習を無理なく続けることで、心も体も巡りが良くなり、毎日を心地よく過ごすことができます。年齢を重ねる毎に感じる悩みも、あるがままに受け止めてみると、毎日頑張ってくれている身体に改めて感謝の気持ちが湧いてくるものです。

変化を楽しむ心があれば、身体もきっと応えてくれます。自分自身のライフスタイルに合った方法で、楽しく心地よく続けられるヨガを、日常に取り入れてみてください。

参考文献

NCBI国立バイオテクノロジー情報センター>PudMed.gov>ハムストリング筋の柔軟性に対する静的ストレッチに対する時間の影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8066111/

e-ヘルスネット>スロートレーニングとは
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-003.html

e-ヘルスネット>ストレッチングの実際
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-007.html

NCBI国立バイオテクノロジー情報センター>PudMed.gov>高血圧の管理におけるヨガの有効性と安全
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26575122/

「2016年 慢性疲労症候群の病因病態の解明と画期的診断・治療法の開発」西福祉大学研究より
https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/h27/pdf/h27soukatsu.pdf

ハタヨーガ・プラディーピカー前編(訳・解説 成瀬貴良)

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