英語名:Placenta、英語略:-
独:Plazenta、仏:Placenta
同義語:-
プラセンタとは
プラセンタとは、哺乳動物の「胎盤」のこと。妊娠中に、母体から赤ちゃんへ栄養や酸素を届けたり、反対に赤ちゃんの老廃物を母体の血液に戻したりと、お腹の赤ちゃんを守る大切な役割を持っています。
そのためプラセンタには、豊富な栄養成分が含まれているのです。
ヒトだけでなく、牛や豚、馬、羊など多くの哺乳動物にも同じように胎盤ができます。
プラセンタって良いものなの?
赤ちゃんの成長を支える胎盤には、10数種類のアミノ酸や多くのビタミンやミネラル、成長因子や栄養が多く含まれています。
そのためプラセンタは古くから薬としても使われてきました。古くは紀元前から使われていたとも言われ、クレオパトラやマリーアントワネットもプラセンタを利用したと言われています。
美容効果は?
プラセンタは多くの栄養成分を含むため、肝臓機能の強化や疲労回復といった効果も期待できます。
近年では美容効果、とくに美肌効果については「肌の保湿」「シミ予防」「抗炎症作用」「抗酸化作用」などさまざまな効果があると言われています。
プラセンタはどうやって利用する?
現在のプラセンタの利用方法は、大きく3つの方法があります。
医薬品
更年期障害や肝機能障害の治療薬として、保険適用がされています。ヒト由来のプラセンタ製剤を皮下注射、または筋肉注射によって投与することもあれば、滋養強壮などののための市販の内服薬も存在します。
サプリメントや美容ドリンク
プラセンタエキスを配合したサプリメントや、美容ドリンクも近年では多く存在しています。このプラセンタエキスはそれぞれ、さまざまな動物の胎盤から抽出されています。
化粧品
スキンケアの化粧品として、プラセンタエキスを配合した美容液などが販売されています。内服や注射ではなく、外側から肌にプラセンタエキスを塗布することでも効果を得ることが可能です。
プラセンタの原料は?○○由来って何が違うの?
医療現場の治療薬ではヒト由来のプラセンタ製剤が用いられている一方、ほかのものでは豚や馬などの胎盤から抽出された「動物性プラセンタ」を使うのが一般的です。
また近年では「植物性プラセンタ」や「海洋性プラセンタ」などを利用することもあります。
ブタ由来のプラセンタ
豚は多胎妊娠をし、一度の出産で10頭前後の赤ちゃんを産むことができます。そのため他の動物と比べても胎盤を大量に得ることが可能。プラセンタの中でも、もっとも一般的に使われています。
ウマ由来のプラセンタ
馬は豚のように多胎ではなく、出産数も少ない動物です。そのためウマ由来のプラセンタはあまり流通していません。
また、馬のプラセンタはアミノ酸含有量が多く、希少価値もあわせて価格が高くなっています。
ヒツジ由来のプラセンタ
日本ではあまり見かけないヒツジ由来のプラセンタですが、欧米諸国ではヒツジ由来のプラセンタも多く流通しています。
植物性のプラセンタ
植物において胎盤と似た働きを持つ、「胎座」から抽出したものを「植物性プラセンタ」と呼びます。
「胎座」は発芽が起きる部分のことで、ここには多くの栄養素が含まれているのです。ただし、動物性プラセンタの持つ成長因子はありません。
海洋性のプラセンタ
魚類にも胎盤はありません。そのため海洋性のプラセンタとは、魚卵を包む「卵巣膜」から抽出したものを言います。
卵を育てるための栄養成分が胎盤同様に含まれていますが、動物性プラセンタと異なり、成長因子は含みません。
プラセンタ注射を打つと献血ができなくなるって?
ヒト由来のプラセンタ製剤を注射した場合、献血ができなくなります。これはプラセンタ注射によって、変異型クロイツフェルトヤコブ病(ヒト型の狂牛病)に感染するリスクが、0%とは言いきれないためです。
そのため、輸血患者への感染を広める危険性を配慮し、プラセンタ注射を打つと献血ができないようになっています。
ですが実際には製造過程で感染への安全対策は徹底されており、現在までにプラセンタ注射でこの病気を発症した例は報告されていません。
国によって線引きはさまざま
このようにプラセンタ注射をはじめ、プラセンタの利用方法はさまざまで、その技術や考え方も国によって変わります。
そのため国によっては利用方法が制限されていることや、プラセンタ注射が禁止されていることも少なくありません。利用する場合は、利用方法も含めて自身でしっかり確認するのがオススメです。