英語名:Paraben、英語略:-
独:Parabene、仏:Paraben
同義語:-
パラベンとは?
パラオキシ安息香酸エステルの総称。パラヒドロキシ安息香酸エステルとも言い、安息香酸エステルのパラの位置にフェノール性ヒドロキシル基を持つ有機化合物群のことを指す。
パラベンにはいくつか種類があり、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどが一般的に多く使用されている。
パラベンの意味をもっと簡単に言うと化粧品や医薬品に使われる防腐剤
パラベンとは、微生物による汚染を防ぐ防腐剤として広く使われている防腐剤の一種。人体への毒性が低く、少量でも効果が高いため、化粧品以外にも医薬品や飲料など幅広い製品で使用されています。
微生物やカビ、酵母による腐敗を防ぐためにパラベンは含まれているのです。
どうして化粧品に防腐剤が必要なの?
化粧品にはさまざまな成分が含まれています。また、水も含んでいるため、化粧品はそのままの状態では非常に腐りやすいのです。
化粧品のフタを開けた時に触れる空気中の菌や、手に取る時の皮膚の雑菌により、化粧品は腐敗や変色を起こし、異臭が発生してしまいます。
このような化粧品を使うと、かえって肌荒れの原因にもなってしまうでしょう。このようなことを防ぎ、化粧品を清潔な状態に保つために使われているのが防腐剤。パラベンを加えることで、製品としても長期保存が可能になるのです。
パラベンフリーが体に良い?パラベンは有害?
近年では「パラベンフリー」をうたう製品も多く、パラベンフリーと呼ばれるものの方がなんとなく良いイメージや、パラベンは有害なのかと疑問に思うこともあるでしょう。
防腐剤は添加物なのだから、入らない方が良い、と思うかもしれません。
ただし化粧品は前述のとおり、そのままでは非常に腐りやすく、使用期限がとても短くなってしまいます。雑菌が繁殖してしまった化粧品では、かえって肌荒れの原因にもなります。
このようにパラベンは化粧品の品質を維持し、長期的に安全に使用するために使われているのです。
そのためパラベン自体が有害無害というよりも、防腐剤としての効果を知ったうえで、個々人で選択し、判断することが大事と言えます。
日本の化粧品の使用上限は1%まで
日本の化粧品では、「化粧品基準」によりパラベンの使用量は上限1%まで、100gに対し1.0gまでと定められています。とは言うものの、実際に市販されている化粧品のほとんどにおいて、パラベンは0.1~0.5%程しか含まれていません。
基本的には、非常に厳しい基準の範囲で配合されていると言えるでしょう。
まれにアレルギー反応がある
ただしごくまれに、パラベンでアレルギー反応を引き起こすことがあります。割合は約0.3%と言われ、1000人中3人ほどの確率です。
このような敏感肌の方に向けた表示として「パラベンフリー」が使われています。この確率を高いと見るか低いと見るかは考え方次第ですが、どうしても気になる場合は皮膚科など専門家に相談してみるのも良いでしょう。
パラベンフリー=防腐剤フリーではない
これまで、パラベンの防腐剤としての役割を説明してきました。ただし、「パラベンフリー」と書かれているものが、決して「防腐剤フリー」とは言えません。
防腐剤としてパラベンを使っていないだけで、フェノキシエタノールや安息香酸塩といった、別の保存料や防腐剤を使用していることがほとんどです。
さらに「防腐剤フリー」という場合も「化学添加物の防腐剤は配合していない」という意味に過ぎず、ローズマリーエキスやオレンジオイルなど天然の防腐剤を配合していることがあります。
それでも「パラベンフリー」や「防腐剤フリー」のものを選びたい場合は、品質を守るために工夫されているかを見てみましょう。
雑菌が入りにくい真空タイプや、短期間で使いきれる容量の物、逆止弁の容器などの場合は、実際に防腐剤を使っていない場合があります。
こだわりたい場合は、表面に書かれている言葉だけでなく、成分や容器などにも目を向けることが必要です。