2022年3月26日、慶応大の戸田正博教授(脳神経外科)らのチームがiPS細胞にゲノム編集で特殊な遺伝子を入れて、悪性の脳腫瘍(しゅよう)を治療する研究を進めていることがわかった。脳に入れた細胞が腫瘍を巻き込んで一緒に死ぬ方法を用いるため、iPS細胞を使った治療で懸念される、入れた細胞ががん化するリスクがないという。
治療の対象は、悪性度の高い膠芽腫(こうがしゅ)というがんで、これまでは脳の奥まで薬や放射線を届けにくいことが治療の課題だった。
戸田教授は神経幹細胞が患部に向かっていく現象があることに着目。iPS細胞を活用し遺伝子を自在に入れられるゲノム編集の技術と組み合わせ、iPS細胞を改良する方法にたどり着いた。iPS細胞から作った神経幹細胞を脳の奥まで行きわたらせ、抗がん剤の効果を発揮し腫瘍とともに死滅する仕組みだ。
2026年の臨床応用をめざすとしている。
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